第134話

130話
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2024/12/23 04:57 更新
佐野 エマ .
…あの人がウチのもう1人のお兄ちゃん
イザナだよね?
佐野 エマ .
なんであなたと一緒なの…?
白谷 あなた .
あー、えっと、なんていうか…

繋いでいた手を離してエマちゃんにそう聞かれる


ほんとに、自分でもよく分からないなぁ


私天竺なんだ なんて言えるわけないし
佐野 エマ .
……これから、喧嘩するんでしょ?
花垣 武道 .
……多分
白谷 あなた .
…うん
佐野 エマ .
……

先程まで私に向けられていたエマちゃんの視線は万次郎へと変わる
佐野 エマ .
男の子ってなんで喧嘩ばっかりするのかな
佐野 エマ .
あなたは別だけど
佐野 エマ .
"東京卍會総長"
佐野 エマ .
"無敵のマイキー"
佐野 エマ .
マイキーは人前で強い所しか見せない
花垣 武道 .
佐野 エマ .
兄貴が死んだ時も、場地が死んだ時も
佐野 エマ .
どんな時でも弱い顔は見せないのがマイキー

…エマちゃんは、よく解ってるなぁ、万次郎の事



これが"家族"なんだろうな



羨ましい



私には、理解してくれる家族も



理解してる家族もいない
花垣 武道 .
…確かに、そうだね
佐野 エマ .
でもホントのホントは
佐野 エマ .
今でも使い古したタオルケット握りしめてないと寝れない弱い男の子
白谷 あなた .
佐野 エマ .
君やウチ、あなたも一緒
佐野 エマ .
だからどっかで張りつめた糸が切れちゃった時
佐野 エマ .
その時は、ウチがマイキーを助けてあげるんだ!
佐野 エマ .
マイキーがそうしてくれたみたいにね!
白谷 あなた .
っ…

「なーんて!カッコつけすぎかな?」



そう笑うエマちゃんは、私より年下とは思えないくらい、美しくて、大人っぽくて


きっとエマちゃんなら、誰よりも万次郎を救えるんだと


万次郎の一番の支えは、エマちゃんなのだと、改めてそう思った
佐野 エマ .
なにか飲む?
白谷 あなた .
買ってこようか
佐野 エマ .
ううん!いいよ、ウチが奢ってあげる!
佐野 エマ .
タケミっちもいるでしょ?
花垣 武道 .
あ、うん…
白谷 あなた .
…花垣君?

なにか考え事をしているような顔をする花垣君に声をかける




すると後ろからバイクの音が聞こえ、そのバイクはこちらに猛スピードでやってきていた
稀咲 鉄太 .
うおおおお!!!!

バイクには2人乗っていて、1人はバットを持った稀咲君


ということは運転してるのは半間君かっ…!!
花垣 武道 .
稀咲!?

稀咲君はバットを振りかぶる



まずい、花垣君が…!!!














じゃない、稀咲君の目に映っていたのは
白谷 あなた .
エマちゃんッッ!!!!!



ッカァァァンッ
白谷 あなた .
エマちゃんッッ!!!!!!

エマちゃんの元へ急いで駆け寄る


頭からは血を流していて完全に意識を失っていた
白谷 あなた .
エマちゃんッ、エマちゃんッ…!!!
稀咲 鉄太 .
終わりだ花垣武道
白谷 あなた .
ッ、稀咲…!!!!
白谷 あなた .
エマちゃんっ!!嫌だ、お願い、目を開けてっ…!!

生憎自分は今私服でいつも持ち歩いている救急箱を持っていないため応急処置が出来ない



これ以上血が出ないように優しくエマちゃんの傷口を抑える
花垣 武道 .
エマちゃん…過去で…こっちで死んじまったら救えないんだっ…、
白谷 あなた .
…過去…?

花垣君はそう言って涙を流す


過去って、どういうこと…?













そんなことよりも、今はエマちゃんのことが最優先だ

まだ温かい。生きてる。急いで病院へ…
佐野 万次郎 .
…エマ?
花垣 武道 .
ごめん…マイキー君、オレ…
白谷 あなた .
っ、万次郎…!!
佐野 万次郎 .
…何があった?
白谷 あなた .
っ、バイクが突っ込んできて、エマちゃんが跳ねられた
白谷 あなた .
稀咲にっ…!!
佐野 万次郎 .
あなた

万次郎はエマちゃんを自分の背中に乗せるように促す


きっとそっちの方がエマちゃんも安心するだろうと思い、乗せた
















ゆっくりと、エマちゃんを刺激しないように歩いて病院へ向かう


イザナはどこかへ行ってしまっていた

佐野 万次郎 .
安心しろエマ
佐野 万次郎 .
もうすぐ病院だから
佐野 エマ .
……マイキー…?
白谷 あなた .
花垣 武道 .
エマちゃん!?
佐野 エマ .
…あれ?体が動かない…

エマちゃんは目を覚ましたものの、声はか細く、いつもの元気さは感じられなかった
佐野 エマ .
…ねぇ?
佐野 エマ .
ウチにもしもの事があったら
佐野 万次郎 .
バーカもしもの事なんてねぇよ
佐野 エマ .
……

エマちゃんの肌はより白くなっている気がした


きっと血の気が悪くなっている


変に汗もかいている
佐野 エマ .
ドラケンに伝えて
佐野 エマ .
「ケンちゃん愛してる」…って
佐野 万次郎 .
……自分で伝えろ
佐野 エマ .
……タケミっち

エマちゃんの声はだんだん小さくなっていく



花垣君に「マイキーのこと、お願い」と伝えていた
佐野 エマ .
…あなた
白谷 あなた .
…うん、どうしたの?

目線を合わせて、溢れ出そうな涙を堪えながら微笑む
佐野 エマ .
こんな事になるくらいなら…、あなたと、








一緒に、死にたかったな

















そう言ったのを最後に、エマちゃんの腕の力は抜け












握っていた手は、あの時の圭介のように




冷たかった
白谷 あなた .
っ、嘘だ、嘘だ嘘だ嘘だ
白谷 あなた .
エマちゃんッ…、!!!!
書きながら号泣しました


エマちゃぁぁぁん…………

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