繋いでいた手を離してエマちゃんにそう聞かれる
ほんとに、自分でもよく分からないなぁ
私天竺なんだ なんて言えるわけないし
先程まで私に向けられていたエマちゃんの視線は万次郎へと変わる
…エマちゃんは、よく解ってるなぁ、万次郎の事
これが"家族"なんだろうな
羨ましい
私には、理解してくれる家族も
理解してる家族もいない
「なーんて!カッコつけすぎかな?」
そう笑うエマちゃんは、私より年下とは思えないくらい、美しくて、大人っぽくて
きっとエマちゃんなら、誰よりも万次郎を救えるんだと
万次郎の一番の支えは、エマちゃんなのだと、改めてそう思った
なにか考え事をしているような顔をする花垣君に声をかける
すると後ろからバイクの音が聞こえ、そのバイクはこちらに猛スピードでやってきていた
バイクには2人乗っていて、1人はバットを持った稀咲君
ということは運転してるのは半間君かっ…!!
稀咲君はバットを振りかぶる
まずい、花垣君が…!!!
じゃない、稀咲君の目に映っていたのは
ッカァァァンッ
エマちゃんの元へ急いで駆け寄る
頭からは血を流していて完全に意識を失っていた
生憎自分は今私服でいつも持ち歩いている救急箱を持っていないため応急処置が出来ない
これ以上血が出ないように優しくエマちゃんの傷口を抑える
花垣君はそう言って涙を流す
過去って、どういうこと…?
そんなことよりも、今はエマちゃんのことが最優先だ
まだ温かい。生きてる。急いで病院へ…
万次郎はエマちゃんを自分の背中に乗せるように促す
きっとそっちの方がエマちゃんも安心するだろうと思い、乗せた
ゆっくりと、エマちゃんを刺激しないように歩いて病院へ向かう
イザナはどこかへ行ってしまっていた
エマちゃんは目を覚ましたものの、声はか細く、いつもの元気さは感じられなかった
エマちゃんの肌はより白くなっている気がした
きっと血の気が悪くなっている
変に汗もかいている
エマちゃんの声はだんだん小さくなっていく
花垣君に「マイキーのこと、お願い」と伝えていた
目線を合わせて、溢れ出そうな涙を堪えながら微笑む
一緒に、死にたかったな
そう言ったのを最後に、エマちゃんの腕の力は抜け
握っていた手は、あの時の圭介のように
冷たかった
書きながら号泣しました
エマちゃぁぁぁん…………












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。