朝
大我の元気な声が部屋に響く。
優吾はほっとしたように笑った。
そこへ慎太郎。
その会話をドアの隙間から少しだけ見ていた北斗。
少しだけ安心する。
北斗side
じゃあ今日は…
少しは、俺のことも見てくれるかも
淡い期待を抱いたまま、リビングへ向かった。
席に座ると、優吾が大我に話しかける。
そのやりとりを見ながら、北斗は箸を動かす。
北斗side
…あぁ、やっぱり
昨日のこともあるし、
そうなるよね。
少しだけ期待した自分が、バカみたいに思えた。
ふいに優吾が声をかける。
短い会話。
でも、それ以上は続かない。
北斗はほとんど振り返らずに家を出た。
北斗side
やっぱりそうだよね
心の中で小さく呟いた。
昼
クラスでは大我の周りに人が集まっていた。
一方で…
嘘でもいいと思った。
北斗side
家、どうせ同じだし
それでも足はちゃんと家に向かう。
夕方
リビングは昨日よりも明るかった。
また、そこで会話は終わる。
楽しそうな声。
その輪に入らず、北斗は静かに階段上がる。
でも……
北斗side
ちょっとくらい、
俺の話も聞いてくれてもいいのに
部屋に入って、ドアを閉めた。
夜
みんなが楽しそうに席に着く。
席に座る。
笑い声が広がる。
北斗も食べている。
ちゃんといる。
でも、どこか遠い。
食器を片付けて、そのまま離れようとした時…
優吾が呼び止めた。
少し驚いた顔。
その言葉に北斗の胸が少しだけ温かくなる。
少しだけ、ほんの少しだけ笑った。
そのまま部屋に戻る北斗。
布団に入りながらが……
北斗side
ちゃんと見てくれたんだ、
俺のことも。
小さな安心と、嬉しさ。
…ちょっと楽しみかも
その気持ちを抱えたまま、目を閉じた。
リビングでは
慎太郎がぽつり。
優吾は小さく頷いた。
一旦きります。


















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。