第5話

💛の体調不良リクエスト
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2026/02/22 09:58 更新
ある朝。

この家のお母さん、
優吾は、目覚ましよりも早く目を覚ました。

……というより、眠りが浅すぎて、ほとんど寝ていない。
優吾
優吾
っ……
ズキン、とこめかみを殴られたみたいな痛み。
身体は重く、布団から起き上がるだけで目の前がぐらりと揺れる。
2週間近く続いている微熱と倦怠感。
今日はそれに加えて明らかな高熱。
だけど今日は、生放送に収録、打ち合わせ……休めない一日。
キッチンに立とうとして、壁に手をつく。
慎太郎
慎太郎
優吾、大丈夫?
低くて優しい声。
この家のお父さん、
慎太郎が心配そうに覗き込む。
優吾
優吾
大丈夫だよ、ちょっと寝不足
笑うけど、声がかすれている。
そこへ。
大我
大我
おはよー……って、ママ顔白くない?
長男大我。
北斗
北斗
ほんとだ、目、赤いし
北斗がじっと観察する。
樹
熱あるんじゃね?
樹が一歩近づく。
ジェシー
ジェシー
えー?ママ倒れないでよー?
ジェシーはまだ眠そうに目をこすっている。
優吾
優吾
ほんとに大丈夫だから、今日はみんなも一緒でしょ?
そう言って、優吾は無理やり薬を流し込んだ。
慎太郎は何か言いたげだったけど、
仕事の日の優吾は止められないと分かっているから、何も言えなかった。
楽屋
大我、北斗、樹は先に楽屋に入り。
大我
大我
ママ、まだ来ないね
大我がそわそわ。
北斗
北斗
パパとジェシーは後からだしな
北斗は冷静だけど、どこか落ち着かない。
そこへ。

ふらっ、と肩にもたれるように優吾が入ってきた。
優吾
優吾
おはよ
一瞬、全員固まる。
北斗
北斗
ママ、それ絶対熱ある顔
北斗が即座に言う。
優吾
優吾
ないない
笑うけど、額にうっすら汗。
樹は何も言わず、そっと近づいて、優吾の手に触れた。
樹side
……熱い
でも、あえて言わない。
樹
ほら、今日車で生配信でしょ?早く移動しよ
樹が空気を変える。

優吾は一瞬だけ樹を見た。
気づいてるな、って顔。

でも、何も言わないでくれた。
その後慎太郎とジェシーとも合流。
生配信(車内)
揺れる車内。

画面の向こうにはファン。

優吾の顔色はどんどん悪くなる。

頭痛、吐き気、そして車酔い。
優吾
優吾
……っ
一瞬、視界が暗くなる。
その時。

そっと、身体を支える感覚。

樹の肩。
樹
ママ、ちょっとこっち寄りなよ
樹
画角ちょうどいいし
軽い声で言いながら、しっかり背中を支える。
優吾は樹にもたれかかる。

一瞬はファンに向かって明るく話を繋ぐ。
樹
今日さ、ママ朝からテンション高いんだよね〜
樹side
嘘だよ、ごめん。でも心配させたくない
トークを回し、笑わせて、
さりげなく優吾の負担を減らしていく。
配信終了。

カメラが止まった瞬間。
樹
……ママ
声色がいっきに変わる。
優吾
優吾
……ありがと
樹
熱、あるでしょ
優吾は目を逸らす。
優吾
優吾
ないない
昼休憩
慎太郎
慎太郎
優吾、ほんとに大丈夫?
慎太郎も来て、額に触れる。
慎太郎
慎太郎
熱いな……
優吾
優吾
大丈夫だよ笑
でも歩き出した瞬間、よろける。
樹が即座に腕を掴む。
樹
無理しないで
優吾
優吾
仕事あるから
次の集録が始まる。

最初はもちこたえていた。

けど途中から、明らかに様子がおかしい。

視界が揺れる。

音が遠い。
樹
……ママ?
樹の声。

その瞬間。

力が抜けた。
子供組
ママ!!
倒れ込む身体を、樹が受け止める。
帰宅語
優吾は自室のベッド。

他のみんなはリビングで心配そうに待っている。

樹
俺、みる
樹が言った。
優吾
優吾
樹……
樹
俺が一番気づくの遅かったから
部屋。

薄暗い中、優吾はうなされている。

樹は冷たいタオルを額に乗せ、手を握る。
樹
ママ
かすかに目が開く。
優吾
優吾
樹……?
樹
ごめんね、無理してるの分かってたのに、止められなかった
優吾は首を振る。
樹
みんなの前で、ママでいなきゃって思うの、分かるよ
樹は優しく、でも真っ直ぐに言う。
樹
でもさ
小学生とは思えない落ち着いた声。
樹
ママが倒れたら、俺たちの家が崩れるんだよ
樹
俺、三男だけどさ、守られるだけの年じゃない
ぎゅっと手を握る。
樹
辛い時は、ちゃんと寄りかかってよ
樹
今日みたいに隠すんじゃなくて
樹
俺、ママの味方だから
優吾の目から、涙が一筋。
優吾
優吾
樹……ありがと
樹
うん、だから今日は俺に甘えて
樹
ママ
樹はそっと額に手を当てる。
樹
大丈夫、俺がちゃんと看病する
樹
明日も、その先も、ママが笑ってられるように
部屋の外では、大我と北斗とジェシーと慎太郎が静かに待っている。
この家は、強い。

だって。

ママをみんなで守る家族だから。
end

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