第19話

17話 5月5日の夜
464
2024/06/20 08:00
iw side
いつものようにバーに行くと、舘さんがサプライズでケーキを作ってくれていたらしい。
何故かお客さん全員を巻き込んでの騒ぎになった。

普段とは違ってクラブみたいな盛り上がりに、お客さんも楽しんでいる様子。

ふっかは嬉しそうにありがと〜なんてスター気取りで皆に手を振ってる。
その横に座りながらノリつつ、お酒を楽しむ夜。
今日はふっかは店員側じゃなくてお客さん側の席にいて、時に舘さんのサポート、時に俺と飲む、そんな感じで遊びと仕事の間を行き来してるような面白い状態にあった。
お祭り騒ぎも体に回る酔いでだんだん終焉を迎え始める。
宮舘涼太
そうだ、ふっか
深澤辰哉
深澤辰哉
ん?
宮舘涼太
これ、誕生日プレゼント
そう言うとカウンターの裏側からラッピングされた箱を取り出す舘さん
深澤辰哉
深澤辰哉
えっ、良いの?
宮舘涼太
どーぞどーぞ
向井康二
俺も俺も!
康二もそそくさと包みを取り出す。
向井康二
ふっかさん誕生日って今日知ったから無くなりもんやけど許してや
深澤辰哉
深澤辰哉
もう気持ちが嬉しいよ
深澤辰哉
深澤辰哉
開けてもいい?
宮舘涼太
もちろん
向井康二
うん!
深澤辰哉
深澤辰哉
じゃあ舘さんのから……
箱の中には丁寧に包装されたグラスが入っていた。
小さくすぼまった飲み口にくびれるような細長いボウルをもつフルート型。
深澤辰哉
深澤辰哉
うわあめっちゃ綺麗
岩本照
岩本照
すげえ
宮舘涼太
そのグラスめっちゃ口当たりいいんだ。
そう言われてグラスに口付ける様に軽く唇を押し当ててる。
深澤辰哉
深澤辰哉
うっすいね
宮舘涼太
そうなの。宅飲みの時に使ってよ
深澤辰哉
深澤辰哉
ありがと!
割れないようにそっとカウンターに置く。
向井康二
舘さんのがそれなんやったら俺の結構相性ええわあ
深澤辰哉
深澤辰哉
じゃあ康二の開けさせてもらうね。
中からは高級なおつまみのアソートパック
普段自分で買うには中々勇気が要る代物だ。
岩本照
岩本照
康二ナイスだわあ
向井康二
やろ?
深澤辰哉
深澤辰哉
うわっ、めっちゃ良い。
向井康二
何か5月限定らしいわそれ。
向井康二
そこそこ日持ちするらしいからな、あんま焦らんで大丈夫やで
深澤辰哉
深澤辰哉
もうほんとありがと
岩本照
岩本照
めっちゃ良いじゃん
宮舘涼太
そう言えばふっか、そのネクタイピンめっちゃ良いね?
自分で買ったの?
その質問に対してよくぞ聞いてくれたとでも言いたげにふっかが胸を張る。
深澤辰哉
深澤辰哉
これは照からのプレゼントだよ。
宮舘涼太
めっちゃ良いわそれ
向井康二
照にぃ……やっぱ敵わんわあ
岩本照
岩本照
そんな言われたら照れる笑
深澤辰哉
深澤辰哉
会社でもバーでも着けてんの
深澤辰哉
深澤辰哉
めっちゃ良いっしょ?
盛り上がっているうちにいよいよ帰る時間になる。
岩本照
岩本照
康二今日はペースミスってないじゃん
向井康二
今日はふっかさんメインやからな!
向井康二
邪魔したらあかん思て僕我慢しました!
岩本照
岩本照
偉い偉い
深澤辰哉
深澤辰哉
じゃあ、俺着替えてくるわ
岩本照
岩本照
待っとくね
向井康二
ほーい
ふっかが帰ってくると、荷物を舘さんから貰った袋に詰めて店を出る。
深澤辰哉
深澤辰哉
舘さん、今日はありがとね
宮舘涼太
はいよ
宮舘涼太
またね
その言葉に三人ともまたね、と返す。
店を出たら割とすぐ康二とは道が別々になる。
向井康二
ほな。俺ここまでやから。またな〜!
康二とも別れるとあとはふっかを送り届けて終わり……なんだけど。


とりあえずいつもみたいに話題を振って、いつも通りふっかの家に着いて。
深澤辰哉
深澤辰哉
なんか余韻が凄くてさぁ、いつもより余計帰りたくないかも。笑
聞いてみても良いのかな。
そのためにふっかの誕プレと一緒に布団を買ったんだから。
岩本照
岩本照
泊まってく?
深澤辰哉
深澤辰哉
ん?
岩本照
岩本照
俺んち、泊まる?
深澤辰哉
深澤辰哉
え、良いの?
岩本照
岩本照
実を言うと布団買ったんだよね笑
岩本照
岩本照
お客さん来た時に使えるしって思って。
深澤辰哉
深澤辰哉
そりゃ行きたいけど
岩本照
岩本照
じゃあ来てよ
深澤辰哉
深澤辰哉
めっちゃ嬉しいんだけど
岩本照
岩本照
俺もふっかが来てくれたら嬉しいよ
岩本照
岩本照
決まりでいい?
深澤辰哉
深澤辰哉
うん。
深澤辰哉
深澤辰哉
着替えとか明日のスーツとか取りに行っていい?
岩本照
岩本照
もちろん。
ふっかが住んでるアパートは2階の1番隅の部屋らしく覚えやすい。
岩本照
岩本照
俺も覚えとこ。笑
深澤辰哉
深澤辰哉
そうして。笑
深澤辰哉
深澤辰哉
あー、とりあえず中入ってきてくれてもいいよ

待って、ダメだ。汚いわ。部屋。
やっぱ絶対入ってこないで。
岩本照
岩本照
分かったよ笑
玄関だけでも上げてくれるのがすごいよなあ
彼女とかいたら簡単には呼べないもんなあ……
ふっかって恋人いんのかな。
ふと気になった。
後で聞いてみよ。
しばらくするとふっかが戻ってきて、泊まるために必要な物も一式持ってきた。
鍵を閉めると俺の家へ。
岩本照
岩本照
そういえばさっき気になったんだけどさ
深澤辰哉
深澤辰哉
ん?
ふっかって彼女いんの?

何故か口が動かない。
なんでだ?
ただ聞けば良いだけなのに聞きたくない。
何故か居るって言われたくない。



どうした?俺
岩本照
岩本照
岩本照
岩本照
スーツって何枚で着回してる?
変な間の後に全然関係無いことを聞いてしまう。
深澤辰哉
深澤辰哉
無難に3枚だけど笑
深澤辰哉
深澤辰哉
何その変な間。笑
岩本照
岩本照
別の事考えてた。
深澤辰哉
深澤辰哉
おい笑
深澤辰哉
深澤辰哉
岩本さん、会話に集中してくださーい
疲れててバグったのかな
原因はそれしか思いつかなかった。

プリ小説オーディオドラマ