第29話

カノウセイ
836
2019/01/08 09:36
花江 結
彩葉ちゃんは、9年前、6年前、3年前
の死滅事件を知ってるかな?
夏目 彩葉
はい。テレビで見ました。
夏目 彩葉
でも、それと何の関係が...?
花江 結
えっとね...
花江 結
私と咲田、楓君は、その死滅事件の
生き残り。
...は?
花江 結
私は6年前と3年前の死滅事件で
生き残った。
片岡 楓
俺は3年前の死滅事件。
不破 咲田
俺は9年前と6年前の死滅事件だ。
...え?ちょっと待って。情報処理が追い付かない。
花江 結
情報処理が追い付かないみたいだから
ゆっくり話すね。
花江 結
まずは、死滅事件の真相。
花江 結
死滅事件は、2つの喋るぬいぐるみ
によって3年ごとに引き起こされる。
花江 結
簡単に言うと、“デスゲーム”って
いうやつ。
花江 結
そのデスゲームをクリアしなければ
生き残れない。
花江 結
デスゲームに生き残った者は1つだけ
願いを叶えることができる。
花江 結
そして、例外もいる。
花江 結
デスゲームが始まる前におかしな
夢をみた人は、ぬいぐるみに
「君は選ばれた」と言われる。
花江 結
9年前の咲田、6年前の私、
3年前の楓君のように。
花江 結
ぬいぐるみに「選ばれた」と
言われた人は、願いを叶える他に
3年間の命を与えられる。
花江 結
たとえ、死んだとしても。
花江 結
で、ここからは、私と楓君が
この町に来たことと繋がる。
不破 咲田
9年前の俺は、親戚の家に
遊びに行った。
不破 咲田
そこで、デスゲームが起きた。
不破 咲田
俺はまだ小学校3年生。
デスゲームをクリアすることは
不可能だった。
不破 咲田
そして、俺は死んだ。
不破 咲田
けど、気付いたら暗闇にいて、
ぬいぐるみに願いを聞かれた。
不破 咲田
俺は願った。
「自分の家に帰りたい。」
不破 咲田
そして、それは叶い、3年間の命を
貰って家に帰った。
花江 結
その3年後、つまり6年前、私と
咲田が住んでた町でデスゲームが
起きた。
花江 結
咲田は、デスゲームの途中で
死んでしまった。
花江 結
私は、最後の最後で死んだ。
花江 結
けど、気付いたら暗闇にいて、
ぬいぐるみに願いを聞かれた。
花江 結
私は願った。
「咲田を生き返らせて。」
花江 結
それは叶ったか分からないまま、
私は3年間の命を与えられ、
楓君のいる町へたどり着いた。
片岡 楓
その3年後、つまり3年前、俺と先輩
が住んでた町でデスゲームが起きた。
片岡 楓
デスゲームが始まる前から、先輩と
俺は知り合っていた。
片岡 楓
俺はデスゲームの途中で、先輩が
あと少しで死んでしまうと知った。
片岡 楓
先輩がデスゲームをクリアすれば
死なないで済むと俺は思って、
先輩がデスゲームをクリアするよう
にした。
片岡 楓
そして、俺は死んだ。
片岡 楓
けど、気付いたら暗闇にいて、
ぬいぐるみに願いを聞かれた。
片岡 楓
俺は願った。
「先輩を本来の寿命に
伸ばしてほしい。」
片岡 楓
それで、俺は願いが叶ったかも
分からずに3年間の命を与えられ
この町に来た。
花江 結
私はデスゲームをクリアして、
1つだけ願いが叶えられるように
なった。
花江 結
私は願った。
「楓君を生き返らせて。」
花江 結
それで、楓君は3年間の命じゃなく
本来の寿命を取り戻した。
花江 結
そして、3年後、つまり今年、私と
楓君はこの町で再び出会った。
花江 結
願いが叶ったことを知った私は、
咲田も生きているのではないかと
考えて、この町の学校を転々と
していた。
片岡 楓
俺はその付き添い。
花江 結
それでやっと今日、咲田を見つけた。
不破 咲田
俺は、結が死んだと思っていたから
凄く驚いたけどね。
花江 結
私は咲田がいない今までのことを
全て咲田に話した。
花江 結
そしたら咲田は、9年前の死滅事件の
生き残りだと判明した。
信じられない...

先輩たちが、そんな過去を背負っていたなんて...
花江 結
そして、彩葉ちゃん。
花江 結
彩葉ちゃんは、変な夢を見たって
言ってたよね?
夏目 彩葉
はい...
花江 結
今年は前のデスゲームから3年後。
花江 結
つまり、この町でまたデスゲームが
起こる可能性が高い。
...え?
如月 千歳
結先輩。
花江 結
ん?
如月 千歳
俺も、見ました。変な夢。
えっ⁉千歳も...?
不破 咲田
もっと可能性、高まったな。
夏目 彩葉
け、警察に!
片岡 楓
不可能だ。
え...?
片岡 楓
多分、ぬいぐるみが何かしら
対策をしている。
片岡 楓
過去に3回も同じ大事件が起きて
いるのに、捜索をする気配すらない。
夏目 彩葉
そんな...























警察に頼れないなんて、そんなの無理だよ...






















どうしよう...





















怖い。

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