リクエスト!
太宰・中也・修治 17歳_______
何時も僕に構ってくれるこの人は僕を拾ったマフィアだ
地下に居た僕をマフィアにし、‘兄弟’にさせた張本人
正直、この人の考えている事が分からない
何故僕をマフィアに入れたのか
何故僕にこんなに構うのか
何故僕を兄弟にしたのか
全く分からない
だが、別にそれで良かった
だって今の僕は、“太宰修治”なのだから
この人は今、僕に所謂バックハグをしている
それだけならまだ良いのだが、それに加え片方手で手を絡め、もう片方で服に手を入れてくるのだ
まあ、特に何も感じないが、余りいい気分では無いので辞めて欲しい
この人がそう言うのであればそうなのだろう
なら仕方無い。僕は只それを受け入れるだけだ
ドカンッ!
出会い頭にあの人に蹴りを入れたのは、あの人の同僚の中原中也だ
何でも、2人は双黒と呼ばれ裏組織では恐れられているらしい
多分、否、絶対
中原中也は僕の事が苦手だ
何故かは分からないが、気味悪がられているのだろう
あの異物を見る眼。もう慣れっこだ
無意識に、左眼につけた眼帯を触った
こうなった時、僕のする事は毎回一緒だ
2人の仲裁をし、ことを円滑に進める
軽蔑した様な嘲笑を作る
これが、何時ものやり取りだ
2人の会話を見る黒い影
只々じっと、口も挟まずに眺めている影は
呪文の様にぼそりと呟いた
その声はとても小さく誰の耳にも入らずにきえていった
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。