長い間眠っていたように思う。
ふと目を開けたとき、最初に見えたのは知らない天井だった。
柔らかいベッド。
静かな部屋。
身体を起こすと頭痛がし、少しぼんやりする。
記憶を探ろうとすると、何かが引っかかる。
確かお父様達の居る寮に居て...。
あれ、何を、したんだっけ......?
思い出せそうで、思い出せない。
そのとき、扉が勢いよく開いた。
明るい声。
振り返ると、白髪の男子生徒が立っていた。
その後ろから、もう一人。
落ち着いた表情の男子生徒。
その名前を口にした瞬間、
彼の顔がぱっと明るくなった。
カリム先輩はベッドの横まで駆け寄る。
記憶が曖昧だ。
何か...なにか、大事なことがあった気がするのに。
でも先輩は嬉しそうに笑った。
頭の奥で小さく何かが揺れた。
その瞬間。
低い声が割り込む。
ジャミル先輩だった。
カリム先輩が慌てて近くにあった椅子に座る。
でも目はずっと私を見ていた。
まるで——
どこにも行かないか確認するみたいに。
差し出されたコップの水を少し飲むと、
頭の重さが軽くなるような気がした。
ほんの一瞬だけ、
彼の目が細くなった。
嬉しそうに。
その言葉は優しい。
でも、どこか測るような響きがあった。
カリム先輩は迷いなく頷く。
その言葉を聞いたとき、
胸がじんわり温かくなる。
その後ろで、
ジャミル先輩が何を考えているのか
よくわからない顔で静かに微笑んでいたのは
私は知る由もない。
その夜。
私はベッドで横になっていた。
廊下から、声が聞こえる。
少し気になり、ドアの隙間から様子を見た。
カリム先輩の声だった。
少しの沈黙。
それから。
ジャミル先輩の低い声。
廊下の空気が少し冷えた。
カリム先輩は少し考えてから笑う。
そのとき、ジャミル先輩の視線が
ふっとこちらを向く。
目が、合った...?
でも彼は何も言わなかった。
ただ、静かに笑った。
まるで――
最初から全部気づいていたみたいに。
ベッドに戻ると
胸の奥で小さく思った。
ここは静かで、優しくて、安心できる。
カリム先輩は明るくて、
ジャミル先輩は頼りになる。
きっと...ここなら大丈夫なのかな。
そう思った。
でも最後に聞いたジャミル先輩の言葉が
脳内で繰り返されていた。
『 人の心は空白のとき、
最初に触れたものを正しいと思う 』
どういうことなんだろう......?
私はまだ知らなかった。
この部屋が――
新しい檻の入口だということを。
アンケート
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ジャミル様です
78%
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17%
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5%
投票数: 59票
アンケート
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YES
55%
はい。ジャミル様の命令は何でもお聞きしますので。
45%
投票数: 40票
next~
🕌寮編 Episode 4−2














編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。