第49話

沈み行く夕日。
74
2021/09/16 07:12

楽しい時間は過ぎていった。

ハナはヒロミの仲間や友人達と

すっかり仲良くなり、溶け込んでいた。




誰とでもすぐ仲良くなれて

ハナがいるだけでその場はパッと明るくなり、

笑いに満ち溢れていた。


Hiromi
Hiromi
ハナ、ちょっと。
さり気なくハナを呼び、

あっちいこうとヒロミは指差した。
Hana
Hana
あ、うん♡
レイカはそのやり取りを見ていた。




みんなから少し離れ、

二人で海辺の波打ち際を歩いた。






ヒロミがそっとハナの手を取って

指を絡ませた。

ハナはヒロミを見てニコッと微笑み、

ヒロミは少し照れたように軽く笑った。
Hiromi
Hiromi
どう?BBQ楽しかった?
Hana
Hana
うんうん‼︎
お肉も美味しい、お野菜も♡
みんなすごく優しいし、めっちゃ笑った〜
Hiromi
Hiromi
あはは。
よかった。
Hana
Hana
ありがとう。
Hiromi
Hiromi
ん?
Hana
Hana
なんか、ひぃちゃんといると
世界が広がるの!
私の知らない素敵な世界を
沢山見せてくれるし、
ひぃちゃんの周りには素敵な人が集まるし、
なんかすごいなぁて。
Hiromi
Hiromi
ふふふ
ヒロミは笑った。

自分のすごさを分かっていないハナが

可愛く思えたからだ。
Hiromi
Hiromi
ホンマにすごいのはハナやけどね。
Hana
Hana
???
Hiromi
Hiromi
僕を見てたら…
わかるよ‼︎
Hana
Hana
???
ヒロミは"???"になっているハナの頭を

くしゃくしゃっと撫でた。




やめて〜と言いながらヒナは喜んでいた。




Hiromi
Hiromi
ハナ、みてみ(^^)
Hana
Hana
うわぁ〜♡すっごーい‼︎
真っ赤な夕日がゆっくりと

沈んでいくところだった。

この日の夕日は格別に綺麗で

とても幻想的だった。
Hana
Hana
きれい…
Hiromi
Hiromi
なんか、Hawaii思い出さん?
Hana
Hana
…同じこと思ってた♡
そう言って嬉しそうに振り向いた

ハナの笑顔が夕日に照らされ、

ヒロミはドキッとした。
Hana
Hana
ひぃちゃん。
この前コウキから連絡あったんだ。
Hiromi
Hiromi
うん。
Hana
Hana
私…やっぱりひぃちゃんが好きなんだよ。
Hiromi
Hiromi
うん。
Hana
Hana
だいっっっっすきなんだよ。
Hiromi
Hiromi
うん



涙をいっぱい溜めて
笑顔で話すハナがとても愛おしかった。





自分と出逢うまで
ハナがコウキといい関係を築いていたことも
ヒロミは知っていた。





ハナはコウキが大好きだった事も知っていた。






だから、いま、
ヒロミが好きだと涙を流すハナの気持ちが
ヒロミには痛いほどよく分かった。




ヒロミはハナの涙を拭い優しく抱きしめた。
沈む夕日を背に
二人は熱いkissをした。

二人を照らす夕日はだんだんと沈んで行き
やがて地平線に彼方に消えて行った。

プリ小説オーディオドラマ