「月とセミは似ている」
駄目ね。なあにも、思い浮かばない。こんなに続きを悩んだのは初めてよ。まだ七日目だというのに、あなたはとても難しいことを書いているわね。
狡いかもしれないけれど、これを続きとして数えてくれる? だって、本当に、難しいのだもの。ずっと、ずっと、あなたに続ける言葉を綴ろうとしていたのだけれど。
あなたがどうしてこの二つを「似ている」と思うのか、全く見当がつかないの。
やっぱり、あなたについては分からないことが沢山ね。
あのね、わたし
「月とセミ」じゃなく
「セミとあなた」のほうが似ていると思うの
ずっと
ずっと
暗いところで過ごして
ようやく
明るいところに出られたと思ったら、すぐ
一生がおわって
ねえ、今度、答えを聞いてもいいかしら。
と言っても、すぐには聞きに行けないだろうけれど。
もうすこしだけ待っていてくれる?
そういえばあなたは
いつだったか
わたしを月だと言っていた









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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!