目が覚めてもやはり恐竜はそこにいた。
クリスマスの朝だった。今日は、時折庭を横切る彼らとともに過ごすことにした。
翌日の夜、恐竜たちは消えた。
次の日、小さなネズミがそこにいた。
哺乳類が繁栄する年の瀬。ついに大晦日を迎えた。
目まぐるしい日だ。サルが現れたかと思うと夕方には二足歩行をしていた。夜になると、原人が石器を作った。少し目を離した隙に、火を使っていた。庭の木に燃え移らないか心配していると、氷河期だ。火事は免れたが、寒い。新年まで残り一時間。再び暖かくなり、人類が現れた。
残り二分を切った。牧畜が始まり、降誕日から六日遅れでキリストが生まれた。
世界は一秒ごとに変わっていく。もう何が何やら分からない、残り十秒。
ルネサンス。五十八秒には産業革命。
追いついた。あと一秒で、新しい時代が来る。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。