第26話

第24話 抜け落ちたピース
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2025/01/11 13:21 更新
賢三side
_桜庭@さくらば__和葉@かずは_
桜庭さくらば和葉かずは
離してってば!森重!!
俺に羽交い締めにされている桜庭がそう叫ぶ。
間に合って良かった、なんて安堵している暇はない。
今は彼女を止めなくては。
_森重@もりしげ__賢三@けんぞう_
森重もりしげ賢三けんぞう
今離したら奏音を傷つけるだろ…!!
_桜庭@さくらば__和葉@かずは_
桜庭さくらば和葉かずは
当たり前でしょ!?この子がいなければわたしの人生は…!!
桜庭がキッと奏音を睨みつける。
_森重@もりしげ__賢三@けんぞう_
森重もりしげ賢三けんぞう
上手くいってたかもしれないってか!?寝言は寝て言えよ!
_桜庭@さくらば__和葉@かずは_
桜庭さくらば和葉かずは
寝言なんかじゃない!!!
今までで1番大きな声をいきなり出されて、驚く。
奏音も相当怯えているらしく、可愛らしい顔が青くなっていた。
_桜庭@さくらば__和葉@かずは_
桜庭さくらば和葉かずは
奏音ちゃんがいなければ、森重はわたしに振り向いてくれてたかもしれなかったでしょ!?だから、わたしにとってはこの子が…!!
…桜庭の言っていることは間違っていると思う。
でも、桜庭の気持ちに気付けなかった俺にも、桜庭がこうなった責任があると思う。
だから、俺は1度冷静になり、言った。
_森重@もりしげ__賢三@けんぞう_
森重もりしげ賢三けんぞう
…俺が言うのは違うかもしれないけど、たしかにわかるよ。振り向かせようとしてた好きな人が、他の人を好きになったら悔しいよな。
でも、と続ける。
_森重@もりしげ__賢三@けんぞう_
森重もりしげ賢三けんぞう
桜庭だって奏音のこと傷つけたいだなんて、本当は思ってないだろ!奏音のこと好きなんだから!
その言葉を放った途端、桜庭の体から力が抜け、足元から崩れ落ちた。
和葉side
ずっと忘れていた。
憎い、許せない、とそんな感情ばかりが心の中にあって。
ソロのことがあったときから、ずっと抜け落ちていたピースに気付けなかった。
奏音ちゃんのこと好きだなんて、なんでそんな大事なことを忘れていたんだろう。
森重とのことだって言う気なかったのに。
こんなに怒りの感情を、出す気なかったのに。
なんであんなに酷いことを言ってしまったんだろうと、後悔が頭を埋め尽くす。
そんなことを考えていたからだろうか。奏音ちゃんに言わなければいけない言葉は、すぐに口から出た。
_桜庭@さくらば__和葉@かずは_
桜庭さくらば和葉かずは
ごめん、なさい…
賢三side
_桜庭@さくらば__和葉@かずは_
桜庭さくらば和葉かずは
ごめん、なさい…
小さな声だったが、桜庭が謝罪の言葉を口にした。
_桜庭@さくらば__和葉@かずは_
桜庭さくらば和葉かずは
ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい…!!!
真っ青な顔で謝罪の言葉を繰り返す桜庭は、まるで何かに取り憑かれているようだった。
_桜庭@さくらば__和葉@かずは_
桜庭さくらば和葉かずは
わたし、奏音ちゃんに許されないことしちゃった…。だから、本当にごめんなさい…!
そう言うと、桜庭は逃げるようにダッと駆け出した。
_花咲@はなさき__奏音@かのん_
花咲はなさき奏音かのん
あ、和葉先輩…!
_森重@もりしげ__賢三@けんぞう_
森重もりしげ賢三けんぞう
追うな、奏音。
奏音が、驚いたように振り返る。
_森重@もりしげ__賢三@けんぞう_
森重もりしげ賢三けんぞう
桜庭は気持ちの整理をしたいだろうから、追わない方が良いと思う。
_花咲@はなさき__奏音@かのん_
花咲はなさき奏音かのん
…わかりました。
沈黙。
俺と奏音の間に、気まずい沈黙が流れる。
そういえば勢いで助けに来たけど、話さないでくださいって言われてたんだよな……
何か話さなきゃと思うけど、話題が思い浮かばない。
あーー…どうしよ。
_花咲@はなさき__奏音@かのん_
花咲はなさき奏音かのん
あ、あの!
この沈黙を先に破ったのは、奏音だった。
_花咲@はなさき__奏音@かのん_
花咲はなさき奏音かのん
助けてくださり、ありがとうございました。
_森重@もりしげ__賢三@けんぞう_
森重もりしげ賢三けんぞう
あ〜…
これはどう返すのが最適なんだろ……
まあとりあえず、素直に受け取っておくかな。
_森重@もりしげ__賢三@けんぞう_
森重もりしげ賢三けんぞう
どういたしまして。
_花咲@はなさき__奏音@かのん_
花咲はなさき奏音かのん
…私、怖かったんですよね。
ぽつり、と奏音が呟く。
_森重@もりしげ__賢三@けんぞう_
森重もりしげ賢三けんぞう
…桜庭のこと?
はい、と言った彼女が続けた。
_花咲@はなさき__奏音@かのん_
花咲はなさき奏音かのん
今まで和葉先輩はずっと優しかったのに、初めて怒られて。森重先輩が来なければ……カッターで、傷つけられていたかもしれないし。
…たしかに、そうだよな。
小学生のときにあの事件があって以来、桜庭が怒らないようにしていた。だから、奏音が怒った桜庭を見て驚くのも仕方ないと思う。
…まあでもこうなったからには、話しておいた方が良いか。
_森重@もりしげ__賢三@けんぞう_
森重もりしげ賢三けんぞう
桜庭はさ、感情的になって怒り始めると我を忘れて物理的に攻撃しようとしちゃうんだよね。奏音と桜庭の間に何があったのかはわからないけど、きっと許せない部分があったんだと思う。
以前もね、と俺は言葉を紡ぐ。
_森重@もりしげ__賢三@けんぞう_
森重もりしげ賢三けんぞう
小学5年生のときだったかな…桜庭がクラスメートに大切にしていた物を壊されて本気で怒って、攻撃しかけたことがあったんだよね。
_花咲@はなさき__奏音@かのん_
花咲はなさき奏音かのん
そうなんですか……
奏音が不安そうな顔をしたので、安心させるように言った。
_森重@もりしげ__賢三@けんぞう_
森重もりしげ賢三けんぞう
あ、そのときも俺が止めたから、相手の子は傷ついてないよ。
あぁ…と納得したような顔をされた。一体何を納得したのだろうか…?
_花咲@はなさき__奏音@かのん_
花咲はなさき奏音かのん
だから、和葉先輩は……
_森重@もりしげ__賢三@けんぞう_
森重もりしげ賢三けんぞう
ん?桜庭がどうかしたの?
_花咲@はなさき__奏音@かのん_
花咲はなさき奏音かのん
あ、いや、何でもないです!
焦ったように奏音が言った。
何か隠さなきゃいけないことでもあるのかな…?
まあ、良いか。
…というか今まで意識してなかったけどこれ、実は仲直りするチャンスなのでは…?あ、しかも奏音の誕生日昨日だったからプレゼント渡せるじゃん!
_森重@もりしげ__賢三@けんぞう_
森重もりしげ賢三けんぞう
奏音、ちょっと着いてきて!
_花咲@はなさき__奏音@かのん_
花咲はなさき奏音かのん
ふぇ!?は、はい…!
俺は奏音を連れて教室へと向かった。
奏音side
今、わたしは森重先輩に着いて行っている。向かってる場所は…教室かな?方向的にも。
_花咲@はなさき__奏音@かのん_
花咲はなさき奏音かのん
あの、今から何をするんですか…?
_森重@もりしげ__賢三@けんぞう_
森重もりしげ賢三けんぞう
内緒!着いてからのお楽しみだよ(笑)
森重先輩が、振り向きざまに私に笑いかける。
久し振りに見たこの太陽のような笑顔。まるで私の日常から抜け落ちていたピースが戻ってきたようだった。
森重先輩の教室に着いて中に入っていくと、先輩はとあるものを取り出した。何かは……あまり見えない。
_森重@もりしげ__賢三@けんぞう_
森重もりしげ賢三けんぞう
えっと…奏音。
_花咲@はなさき__奏音@かのん_
花咲はなさき奏音かのん
なんですか?
改まったように言われて、何があるのかな、と少しドキドキする。
_森重@もりしげ__賢三@けんぞう_
森重もりしげ賢三けんぞう
誕生日おめでとう!!
祝いの言葉と共に出されたのは……ラッピングされた袋。
_花咲@はなさき__奏音@かのん_
花咲はなさき奏音かのん
え、……これ、私にですか…?
_森重@もりしげ__賢三@けんぞう_
森重もりしげ賢三けんぞう
うん!開けてみて!(笑)
そう言われて開けてみると、中から出てきたのは猫のぬいぐるみのような筆箱。
_花咲@はなさき__奏音@かのん_
花咲はなさき奏音かのん
え、可愛い…!!
私、猫好きなんだよね。もしかして森重先輩、覚えてくれてた…?
_花咲@はなさき__奏音@かのん_
花咲はなさき奏音かのん
ありがとうございます!
嬉しかった。森重先輩が私に誕生日プレゼントをくれたことも、好きなものを覚えてくれていたことも。
_森重@もりしげ__賢三@けんぞう_
森重もりしげ賢三けんぞう
…実はね、そのプレゼント、桜庭と一緒に買いに行った物なんだ。
衝撃的な言葉だった。
そんな私にはお構いなしに、本当は燈西さんも一緒に買いに行く予定だったんだけど、と彼は続ける。
_森重@もりしげ__賢三@けんぞう_
森重もりしげ賢三けんぞう
燈西さんが急用で行けなくなっちゃって、桜庭と2人で買いに行ったんだよね。
…奏音が俺と桜庭が2人で歩いてるのを見たって言ったのも、そのときなんだ。でも、言えなかった。誕生日プレゼントのこと、バレたらまずいって思ったから。
先輩が頭を下げて、ごめん、と言った。
_森重@もりしげ__賢三@けんぞう_
森重もりしげ賢三けんぞう
…本当はちゃんと言うべきだったよね。桜庭と2人でいた理由。なのに、俺、はっきりしなくて……
_花咲@はなさき__奏音@かのん_
花咲はなさき奏音かのん
…先輩、頭を上げてください。
先輩に頭を下げられるのが耐えられなくなって、そう言った。
_花咲@はなさき__奏音@かのん_
花咲はなさき奏音かのん
…私が悪かったんです。自分が見たことだけで判断しようとして、先輩の話も聞かないでもう話しかけなくていいです、なんて言ったから…
本当は、寂しかった。
森重先輩と話せなかった間、ずっと。
すると、森重先輩は予想もしなかったことを言った。
_森重@もりしげ__賢三@けんぞう_
森重もりしげ賢三けんぞう
いやいや、ちゃんと説明しなかった俺の責任だよ!
私も負けじと言い返す。
_花咲@はなさき__奏音@かのん_
花咲はなさき奏音かのん
いえ、私です!
私たちの声が、誰もいない教室に響き渡った。
_森重@もりしげ__賢三@けんぞう_
森重もりしげ賢三けんぞう
おーれー!!
_花咲@はなさき__奏音@かのん_
花咲はなさき奏音かのん
わーたーしーでーすー!!
さっきまで言い争っていた森重先輩が、途端にふっと笑った。
_森重@もりしげ__賢三@けんぞう_
森重もりしげ賢三けんぞう
やっぱり似た者同士だね、俺たち(笑)
このままじゃどっちも納得いかないし、お互い謝って終わり、で良い?
_花咲@はなさき__奏音@かのん_
花咲はなさき奏音かのん
はい!
やっぱり森重先輩と話している時間が1番楽しい。
だから、絶対失いたくない。
まあそれはともかくお互いに謝るとのことなので、2人で同時に頭を下げた。
_森重@もりしげ__賢三@けんぞう_
森重もりしげ賢三けんぞう
じゃあ、ごめんなさい!
_花咲@はなさき__奏音@かのん_
花咲はなさき奏音かのん
私もごめんなさい!
2人で顔を見合わせて、また笑う。
_森重@もりしげ__賢三@けんぞう_
森重もりしげ賢三けんぞう
あ、もしかしてこれまた話しかけて良いってこと!?
この流れでそんなことを聞かれるとは思ってなかったけど、暫く会話がなかった私からすると、その言葉ですら嬉しい。
_花咲@はなさき__奏音@かのん_
花咲はなさき奏音かのん
もちろんです!沢山話しかけてください!w
_森重@もりしげ__賢三@けんぞう_
森重もりしげ賢三けんぞう
わ〜い、ありがと!奏音大好き!
_花咲@はなさき__奏音@かのん_
花咲はなさき奏音かのん
ふぇ…!?
唐突に言われた言葉で、頬に熱が集まっていくのを感じる。
_花咲@はなさき__奏音@かのん_
花咲はなさき奏音かのん
も、もう!急にドキドキさせないでくださいよ!
_森重@もりしげ__賢三@けんぞう_
森重もりしげ賢三けんぞう
え〜、駄目?(笑)
…その聞き方はずるいです、先輩…!
_花咲@はなさき__奏音@かのん_
花咲はなさき奏音かのん
べ、別に良いですけど…
_森重@もりしげ__賢三@けんぞう_
森重もりしげ賢三けんぞう
じゃあ、これからもたっくさん好きって言うね!
_花咲@はなさき__奏音@かのん_
花咲はなさき奏音かのん
は、はーい…w
失いたくなかった森重先輩との会話が失われなくて良かったな、と思う自分がいる。
…和葉先輩にはやっぱり申し訳ないけど。
でも、決めた。
私は森重先輩に、告白する。
作者
作者
終わりです!
作者
作者
18時に更新する予定だったのにこんな時間になってしまった……
作者
作者
本日で活動2周年を迎えることができました!いつも応援してくださってる方々、本当にありがとうございます!今後もよろしくお願いいたします…!
作者
作者
それでは、おつかい!

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