第3話

おもてなし
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2025/05/01 10:42 更新




  

あなた
 ねぇ桜、もしかして、
 朝ごはんまだ食べてない? 
桜遥
 いや、まぁ… 


  先程、桜のお腹から大きい音が聞こえた。

  これは私のご飯を振る舞うチャンスだ。


  キッチンに行き、冷蔵庫に食材が揃っているか確認する。

  卵、人参、ピーマン、玉ねぎ、ケチャップ

  
  これでなにを作りたいかは分かるだろう。

  桜の大好物のあれを。



あなた
 作るから待っててね 
あなた
 あの部屋以外なら
 どこでも行っていいから 
桜遥
 お、おう 



  そわそわしながら、こちらをたまに見てくる彼に、

  可愛さで悶えるのは心の中だけにしておこう。

  

  手際よく作り進め、本体を完成させた。

  ケチャップでなにか書こうと思ったが、、、

  引かれたら嫌なので普通にかけた。



あなた
 はいおまたせ 
桜遥
 あ…あり…… 
桜遥
 … 



  …黙っちゃいました。これやっちゃった?

  カウンター席で級長組と楽しく食べてたのを思いだして、

  この現状が辛くなったとか??

  だとしたら私が悪いですね。ほんとマジでごめんなさい。


あなた
 さ、桜どうしたの? 
桜遥
 …オレがよく食べてたやつ 
桜遥
 こっちにもあるんだな 

  寂しげな様子でそう言い、スプーンを手に取って、

  静かにオムライスを食べ始めた。


  持ち方が独特で、本来なら行儀が悪いと

  世間から言われるだろうけど、私は言わない。

  

あなた
 どう…? 
桜遥
 ……ぃ 
あなた
 ん? 
桜遥
 う、うま…い…/// 



  なぜそんな赤面になって、そんな可愛いことを言うのだろう。

  殺す気なのか?死因は尊死か?

  いつも台パンして悶えるのを堪えているのだが、

  桜を目の前にしてそんなことできない。


あなた
 (幸せだけどキッツい…) 
あなた
 (これを毎日耐えるのかぁ) 

桜遥
 (あいつとは味が違ぇな) 




  黙々と食べ続けるのを、横で座りながら見ていた。

  食べっぷりが凄い良いからつい見入ってしまうのだけれど、

  桜は顔を赤くして、見んじゃねぇ!!///

  なんて威嚇をしてくる。

  
  そんな彼が愛おしくて微笑んだら、

  そっぽ向きながらオムライスを食べてしまった。

  耳を真っ赤にしているもんだから、

  ついちょっかいかけたくなる。



桜遥
 ごちそーさん 
あなた
 はーい、完食ありがと 
あなた
 食べたいものがあったら言ってね 
 ある程度は作れると思うから 
桜遥
 お前すげぇな 



  食器を洗った後、桜の向かい側に座り、

  今後どうするのかを話し合うことにした。



あなた
 スマホは持ってる? 
桜遥
 ある 
あなた
 それじゃ連絡先交換ね 
桜遥
 お、おう 



  私の言葉に流され、桜は戸惑いながらもスマを渡してくれた。

  これから一緒に生活するにあたって必要なことなのだが、

  知らない人に騙され、連絡先を教えてしまわないか、

  結構不安だ。


あなた
 (推しの連絡先ゲット♪) 



  私みたいに下心(ほんの少しだけどね)

  があって狙ってくる人もいるかもしれないから。




桜遥
 オレ、かじ…?とか
 やったことねぇから 
桜遥
 役に立たねぇと思うが 
桜遥
 ケンカは強ぇから
 お前を守ることはできる。 
あなた
( ➸♡ギュンッ ) 



  まさかのナイト宣言。

  やはり推しはどこまでも尊い。



あなた
 うん… 
あなた
 でも争いごとはダメだよ 
桜遥
 … 
桜遥
 おう… 


  しょんぼりとした様子で俯く彼に、
   
  また私の心臓が砕かれる音がした。

あなた
 (ナイト服でも着てくんないかな) 





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