大きい音を立ててドアを開けてしまった為クラスのみんなが凪くんへ視線をやる
三村くんがそっと私に教えてくれる
ありがとう、と私は三村くんに感謝を伝え勇気を出して凪くんの方へ歩いていった
私は頷き凪くんと一緒に教室を出た
教室に残っていた男子たちが『告白か?!』『食われないようになー!あなたー!笑』
などと冷やかしてくるので顔に熱が溜まってしまう
それを聞いていた凪くんが『あんな派手な登場したからだ…ごめん』と申し訳なさそうにしていた
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教室を出た後、凪くんと2人きりで廊下を歩いていた
行先は分からないがひたすら凪くんの大きな背中を追っている
考え事をしていて前を見てなかったせいか凪くんの背中にぶつかって転びそうになってしまう
頭打って記憶喪失とかそんな事になりませんように……
そんな事を考えてる場合ではないがとりあえず願って私は衝撃に耐えようと目を瞑った時だった
グイッ!!
あなた『!!』
覚悟して目を瞑った瞬間誰かに腕を掴まれ私は頭から転ばずに済んだ
目を開けると,助けてくれたのは勿論目の前にいた凪くんで
グイッ!!
何故か凪くんに前へと引っ張られそのまま凪くんに抱きついてしまった
やばいやばい、え、何が起こってるの、??
凪くんがこんな近くにいるなんて心臓がもたない、え、どうしよう、
そういう凪くんは少し笑っているようにみえた
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。