第13話

ダセェとカッケェ
52
2026/02/07 04:06 更新
んぁー、眩し……

紫外線が痛いぜ
(なまえ)
あなた
ん?朝?
スマホで時間を確認すると、朝の5時
早いな……
(なまえ)
あなた
こういうときだけ変に早起きなの何なん
しゃーない、これは何時までたってもあるあるなんだから
ほんで、まだ時間はたっぷりあることだし
(なまえ)
あなた
二度寝しよ
そして、もう一度眠りについた
(なまえ)
あなた
ふあぁ……
いっやー、やっぱ二度寝ほど気持ちいいもんはないね
はてさて、今は何時やら……
(なまえ)
あなた
は!?遅刻やんか!!
もうとっくに試合始まってるんすけど!
二度寝なんかしなけりゃ良かった〜〜〜(泣)
急いで準備し、食パンをくわえ、ドアノブに手を掛けて猛ダッシュでトンネルへと向かった








 

が、その道中
(なまえ)
あなた
迷った……
マジでGoog○eマップ信用ならねぇ……!
そしてその挙句
モブ君達
おねーさんかわいいね
よかったらオレ達と遊ばね?
モブ共に絡まれてしまった
ふざっけんじゃねえ、名前すらないモブ共が!!
この超絶美少女で今からタイマン見に行くあなたの下の名前ちゃんにちょっかいかけんじゃないわよ!!
(なまえ)
あなた
ごめんなさい
私今急いでるので
そう言ったはいいものの
モブ君達
いいじゃんいいじゃん、そんな用事なんかほっといてさ?
オレらと遊ぶ方がよっぽど楽しいって
このモブ共はどうやら諦めが悪いらしい

私の腕を掴んできた
ってか推しの勇姿見るより楽しいことってないだろ
舐めてんのか
(なまえ)
あなた
聞こえませんでしたか?私、急いでるんです
あなた方に付き合うつもりはありませんので、手、離してくれます?
モブ君達
は?釣れねぇねーちゃんだな
まあいいぜ、無理やりこっち越させてやっからよ!!
うわやっば、コイツ手出してきやがった

でもそれ以上にやばいのは、私ケンカできないんじゃん!!

やばい、やられる……!
そう思った矢先




ドゴっ!!




(なまえ)
あなた
………は?
私の拳が、相手に直撃した
いやいやいやなに今の!?
私じゃないよ!?
こんな可憐な乙女が人殴れるわけないじゃん!!
モブ君達
テンメェ、何しやがる!!
うわまた来た!

だけど、私の意思とは遠く、反射的に、また勝手に相手を殴っていた





………あ、この感覚、知ってるかも

もちろん、私が生きてきた感じたものじゃない

この体の持ち主“ 東雲あなたの下の名前 “の感じたものだった

気づけば、周りにはモブ共が転がっていた

……やべえ、ことはたちが言ってたの絶対これじゃん!
全っ然ヤワじゃないじゃんか、私
あ、てかやばい!
(なまえ)
あなた
みんなの試合見れない!!
頼んますぜGoog○eマップ
今度こそ私を連れてって!!
扉を開けると、そこにはやりあっている桜と十亀がいた

あっかん完全に乗り遅れてる!!

そーっと蘇枋の隣に座ると、小声で何やら話しかけてきた
蘇枋隼飛
蘇枋隼飛
あなたの下の名前ちゃん、大丈夫?かなり遅れてきたみたいだけど……
(なまえ)
あなた
ああ、うん……ちょっとチンピラたちに絡まれただけ……
マジで許さねぇ、絶望の淵に立って地獄に行け!!

んあれ?というか蘇枋、いつの間に私を下の名前で……ま、いっか
今は桜の勝負に集中!
ステージを見ると、桜は十亀の下駄によって地面に叩きつけられていた

うわ、痛そー……絶対食らいたくない
桜遥
桜遥
だから、言ってることとやってることが違ぇだろって……
桜遥
桜遥
“ 弱いものいじめクラブ “に改名しろよ
鼻血をだらだらと流しながら、桜は十亀を睨む
十亀条
十亀条
もう……しゃべるな
桜遥
桜遥
倒れてるヤツボコるような、中坊追い回すようなヤツらに
桜遥
桜遥
負けられっかよおおお
ドカン、と壇上に響く下駄の音
その下駄は、桜のすぐ真横にあった
十亀条
十亀条
なにそれ……知らない
十亀条
十亀条
そうか……だから君ら、あそこにいたのかぁ……
十亀条
十亀条
ちょっとごめんねぇ
十亀はステージから降り、有馬と鹿沼の前に立った
十亀条
十亀条
正直、不思議だった。風鈴が理由もなくこっちにいるのが……
十亀条
十亀条
お前ら、あそこでなにやってたぁ
十亀条
十亀条
答えろ
事情を話した有馬と鹿沼は、十亀によって殴られた

そして、スカジャンを脱がし、再び桜の前へと向かった
十亀条
十亀条
……続き、やろっかぁ



それからというもの、十亀の拳には迷いがあった

さっきまでのキレも、思いも、何も無かった
(なまえ)
あなた
………十亀、あんた、何がしたいの?
気づけば口が開いていた
十亀条
十亀条
……はは、本っ当……何がしたいんだろうねぇ
(なまえ)
あなた
あんたの拳には迷いがある
あんた、そんなんでも副頭取なんでしょ?
自分の思い伝えないで、殴り合わないで
桜遥
桜遥
お前、ダセェことやめて
オレがケンカしたい、カッケェヤツになれ
十亀条
十亀条
ずいぶん自分勝手だねぇ
これほど実力差ある相手に、よく言えたもんだよ……
桜遥
桜遥
自分勝手上等!
来たぁぁぁぁ!!
私の好きな言葉!

「自分勝手上等!」

これやっぱ何回聞いても桜溢れてて好きなんだよなぁ
桜遥
桜遥
ケンカでテメェを押し通すってのは、こういうことだろ!?
桜遥
桜遥
オレは、相手が命の恩人でも、どんなに強くても、目を逸らしたり、自分を曲げたりしねぇ!!
パァンと桜のキックが、十亀の顔面にヒットした

どう見たって痛そうなのに、十亀はまだ笑ってる
十亀条
十亀条
本当に君は、イライラさせるのがうまいねぇ
十亀は桜に一撃を入れるが、まだ持ちこたえる
桜遥
桜遥
……やっぱりさっきのは本気じゃなかったんじゃねーか。なあ、もじゃもじゃ
十亀条
十亀条
もじゃもじゃじゃない
十亀だよ。十亀条……
わかったよ、とことんやろう、桜
下駄を脱ぎ散らかし、髪ゴムを解いて、桜の名を呼んで構えた

その姿に、私はどうしようもなく満足をしていた

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