そこから、二人は笑いながらケンカをしていた
見ている側でも分かる、あれは“ 気持ちいいケンカ“だ
ダッと走り出し、お互いの顔を蹴る
そして同時に、二人はそこに倒れていた
お互いの拳が交わった時、十亀の拳は下に落ちた
……………は?
十亀は桜に殴られ、倒れる
……耐えきれない
アニメは何周もした、マンガも暇さえあれば読んだ
それなのに……
空気も読まず、兎耳山は二人の間に入った
どこまでも楽しそうだな、兎耳山は
腹立つほどにね
十亀が兎耳山に触れようとすると、十亀は蹴り飛ばされた
兎耳山によって
それを見た桜は、兎耳山の胸ぐらをつかんで殴りかかっていた
そしてその拳は、梅宮によって防がれた
そう言って、桜に向かって笑ってみせた
桜はステージから降りると、疲れのせいかふらりと体勢を崩した
それを、私が支えた
……あれ、私今、推しをハグしているのと同等なのでは?
考えないようにしよう
楡井は目の縁に涙を溜めて、他のみんなも桜の方を向いた
推しと離れるなんて考えられないもん
No推しNoライフ
これが私のモットーなんで
さっきまでとは程遠く、空は暗くなり、落ちた雷が不気味だった
それに、悪い意味で似合う兎耳山の顔
どうも恐ろしかった
相変わらずアクロバティックな動きだなぁ
絶対フィジギフ持ってる
私には程遠いや
そして、梅宮からの強い圧を感じて、私ちょっと心臓がヒュンってなった
梅宮、恐ろしや……絶対起こらせんとこ
そして、避けたはずの兎耳山の鼻からはだらだらと鼻血が出てきた
毎回思ってたけどあれどういう原理なんだろ?
梅宮カッコいい〜〜〜〜!!!
流石は我らの総代だぜぇ!!
そこからの二人は凄まじかった
桜の時よりも、圧はずっと続いていた
梅宮は兎耳山を上から地面へと叩きつけた
見るのが痛々しいなぁ……でも、この後もっと痛々しいのが来るんよなぁ
まあでも私は長女なので耐えますが
ほんとそう……私もう風鈴以外考えられないもん
杉下と一緒に崇め奉ろうかな
梅宮の言葉が効いたのか、兎耳山は髪をちぎりだし、虚ろな瞳をしていた
そこからの兎耳山は、人が変わったかのように暴れ出した
だがそれ以前に、梅宮が抵抗しないことに桜はしびれを切らした
その杉下の言葉に、桜は少しひるんだ
おお……杉下の圧がすごい
兎耳山は梅宮の首に噛み付いた
ひっ、やっぱここ何回見ても慣れないわぁ……
いくら暴走したってこれは、ねぇ……びっくりなんてレベルじゃないわ
だが、梅宮は抵抗せず、兎耳山の頭をそっと撫でた
梅宮は兎耳山に近づく
蹴りを浴びても、近づく
ゴンッ!という音を響かせて頭突きをし、兎耳山は静かにその場に倒れていった





















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!