土曜日の昼時。
柔道部の部活終わりの古川が、ジャージ姿で、
汗を拭きながら歩いている。
斜め下をぼーっと眺めた後に、ゆっくりと空を見上げる。
突然、現れた小倉に思わず声をあげて驚く古川。
取り乱す古川に対し、小倉はゆっくりと、冷静かつ蛇みたいに鋭く冷たい視線を彼に向けて、淡々と答えた。
古川は、小倉が意外と頭が切れるタイプだと知り言葉を失った。
その言葉を聞いて彼女が切り出す。
小倉が視線は外さないまま、ゆっくりと古川に背中を向けて、校舎の屋上辺りを指で軽くさした。
彼女がそう言って歩き出すと、古川もある程度、彼女と距離を保ったまま、ゆっくりと後を着いて行った。
その間、会話は一切なく、ただひたすら緊張感だけが流れ続ける。













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。