第24話

獣を狙う蛇
1
2026/08/01 07:19 更新
土曜日の昼時。
柔道部の部活終わりの古川が、ジャージ姿で、
汗を拭きながら歩いている。
古川 天智
古川 天智
ふう………… 終了終了っと。
まぁ、もうこの学校でこの部活をやることもねぇが……
斜め下をぼーっと眺めた後に、ゆっくりと空を見上げる。
古川 天智
古川 天智
……
古川 天智
古川 天智
だぁっ…っんどくせぇな!!くそ!!
俺は考える系とかそういうの苦手なんだよっ!!
小倉 麻里
小倉 麻里
アンタ、一人だけの時もイラついてんのね。
ちょっと面白い感じだしぃ〜?
古川 天智
古川 天智
うわっ!?
突然、現れた小倉に思わず声をあげて驚く古川。
小倉 麻里
小倉 麻里
ちょっ…驚きすぎだしぃ…
古川 天智
古川 天智
な、なんでお前がこんな所に居るんだよ!
小倉 麻里
小倉 麻里
……… ちょっとアンタと話がしたかった。
古川 天智
古川 天智
え、いや、俺とって… なんでお前、俺が今日、この時間にここに居るって特定できたんだよ!?
取り乱す古川に対し、小倉はゆっくりと、冷静かつ蛇みたいに鋭く冷たい視線を彼に向けて、淡々と答えた。
小倉 麻里
小倉 麻里
入学の初日に、廊下の掲示板に貼ってあった部活募集の張り紙。記憶によると、確か、柔道部の体験入部を含めた練習は、今日の9時〜12時までだったよね?
だから、アンタが行ってるかもって思って、練習が終わるであろう時間帯に合わせて、
柔道場の動線にある、このベンチに座って待ってみようと思ったの。
小倉 麻里
小倉 麻里
ま、あたいがここに来たタイミングで、丁度アンタが来たから、座って待つ事はなかったけど
古川 天智
古川 天智
……… 
古川は、小倉が意外と頭が切れるタイプだと知り言葉を失った。
古川 天智
古川 天智
で、俺と話がしたいって言ってたよな?
まぁ、どうせ試験のことについてだろうが。
その言葉を聞いて彼女が切り出す。
小倉 麻里
小倉 麻里
ま、それもあるし?
ちょいお願いしたい事もあるのね?
古川 天智
古川 天智
お願いしたいこと?
小倉が視線は外さないまま、ゆっくりと古川に背中を向けて、校舎の屋上辺りを指で軽くさした。
小倉 麻里
小倉 麻里
ちょーっと、ここじゃ他クラスの生徒とかに見られたり、話を聞かれたらしたら、情報漏れるしぃ?人気のないところまで来てくれねぇ?
彼女がそう言って歩き出すと、古川もある程度、彼女と距離を保ったまま、ゆっくりと後を着いて行った。

その間、会話は一切なく、ただひたすら緊張感だけが流れ続ける。

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