別居宣言をしてから2日
私は現在アリア村にいる
ゼクリアおじいちゃんの家に来るのは
6年ぶりだろうか…
あの時はシリアス先生を助けることで頭がいっぱいだった…
改めて見ると埃が被っていたり
ところどころ意図的に破壊された跡が残っていた
私は思わず手を合わせた
ここは日本じゃない…
だからこんなことをしても意味はないかもしれない
でもこの気持ちに整理をつけたかった
まずは埃を綺麗にしよう………!
そう心を決めて
私は無詠唱で水を出し掃除を始める
踊るように魔法がはじける
それに合わせて部屋に明かりが一つ一つ灯た
私は手の甲で汗を拭う……
少し片付けただけで綺麗になった
確かに記憶がおぼろげだった
おじいちゃんの家だ……
私は改めて家の中をゆっくりと見て回る
おじいちゃんがよく座っていたチェア……
魔法で直せるだけ直したが完全には戻らなかった
それでも確かにそこにおじいちゃんが座っている気がする
私は恐る恐るチェアに腰をおろした
深く息を吸ってゆっくりと吐く_____
今までの二度の人生の中で
椅子に座ってここまで落ち着くことがあっただろうか…
私は一度目を閉じて天井を見上げる
天井で輝く明かりが眩しくて手を仰ぐ
これがおじいちゃんが見ていた景色…
私は天井を見上げるのをやめて
身体を起こす
昔読んだ小説にもよくあった……
主人公が推理をする時に
死者の生前の行動を辿ることで
謎が解き明かされる場面……
私はそっと立ち上がり
ゆっくりとチェアが向いている先の棚の
引き出しに手をかけた__________
男は渋々といった感じで頷く…
我々騎士団の魔法離れもここまで深刻化してきていたか……
私は彼が退出したのを見送ると
大きなため息をついた______
次回「夏季休暇前」











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。