テストの日、久しぶりに歩いて本校舎に向かった。いつも通りに、先生が集中の妨害をしてくる。こっそりみんなを見たけれど、集中は乱されてない。
それはきっと、やるべきことがハッキリしているからなのかな。
後日のテスト返し。けれど、点数発表だけをまずは済ませるらしい。
ただ、特別条件を出した私だけは一旦置いておくんだって。
「国語、E組1位、神崎有希子。同じく学年1位、神崎有希子!」
有希子ちゃん…!良かった。頑張ってたもの。
「────────」
他の教科の発表もして、手に入れた権利は3本。A組との勝負にも勝ちが確定して、あとは私だけ。
「…あなたの名字あなたの下の名前、全教科満点!おめでとうございます」
すげえ!と、歓声が上がった。
良かった。これで満点じゃなかったらちょっと恥ずかしかったし。
「(4本ですか。少しキツイですが、まあ大丈夫でしょう)」
「それでは、破壊できる触手は4本ということで…」
「ちょっと待てよ」
どうしたんだろう。
「5教科といえば『国・数・理・社・家』だろ」
家庭科…ね。殺せんせーとテストを作る先生は趣向が違うから、ちょっと難しかった。
そう思ってると、狭間さん達4人が家庭科のテストを見せる。
「にゅやっ!ででででも、家庭科は5教科に含まれませんよ!?」
やっぱり、そう返ってくるよね。と思っていると、カルマくんが千葉くんから耳打ちされて声をあげる。
「5教科最大の”家庭科様”に失礼じゃね?殺せんせー」
その声を口火に、みんなが声を上げた。
生徒の声に弱い殺せんせーは結局、触手を8本破壊する権利を与えることになる。
千葉くんって意外と策士だなぁ。
みんなが騒いでいると、ひっそりと外へ行ってしまったカルマくんが気になる。
「磯貝くん、カルマくんが外行っちゃったけど、大丈夫かな?」
近くに居た磯貝くんに聞いてみた。
それに、磯貝くんならみんなのこともよくみているし、どうしたらいいか教えてくれそうだもの。
「そっとしておいてやれ」
そっとする…か。たしかに、いつの間にか殺せんせーもいなくなってるから、きっと大丈夫だよね。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。