第65話

鷹岡さん
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2026/07/23 08:29 更新
 E組に、新しい人が来た。私は、烏間さんに前々から伝えられていたけれど。
 その人…鷹岡さんは、みんなにお菓子を配っていて、近所のお父さんみたいだね。となった時、いいじゃねえかと返していた。
 なんだか、怪しい。
 元々私は、教員(殺し屋)の補充の時は、連絡を受けない契約だった。けれど、烏間さんは鷹岡さんのことをわざわざ私に伝えた。きっと、なにか危ないことがあるのだろう。
「わあっ、エクレアだ…!」
 確かこのお店って、予約しても1ヶ月はかかるって所だよね。そんなに早く補充が決まってたのか…
 お菓子パーティ?が終わった後、カルマくんが声をかけてきた。
「ねえあなたの下の名前、あの人の授業一緒にサボらない?なんか嫌な感じがするんだよね」
 カルマくんのその感じは、合ってると思う。私もそう感じているから。
「ごめんね、カルマくん。嫌な予感がするなら尚更、私はみんなと一緒に居なければならないの」
 冷たい言い方でごめんね。でも、これが私と万の結論だから。
 鷹岡先生の体育の時間、紙が配られた。新しい時間割りだって。
「10時間目って…」
 時間割りにズラっと並んでいたのは、”訓練”その2文字。そして、隣を見ると、10時間。
「ちょっと待ってくれよ!こんなんじゃ勉強出来ねえし、遊びにも行けねえよ!」
 前原くんがそう言った。
 すると、さっきまでの穏やかな表情が嘘だったかのように、鷹岡先生の態度が豹変する。
 やっ…と仮面が剥がれたか…
「『できない』じゃない、『やる』んだよ」
 確かに、月を爆発させた殺せんせーを殺すには、このくらいは必要かもしれない。けど、烏間先生は言った。
──最低限の中学校生活は保証する──
 って。だから、違うと思うんだよ、それは。
「父ちゃんに従えないのなら、罰を与えないとな」
 そう言って、鷹岡先生は前原くんに近づいていく。
 常人なら咄嗟に動くことができないスピードで、腕を振り上げた。
 けれど、前原くんを殴らせる訳には行かない。
「あなたの下の名前…?」
「生徒に手を上げるとは、どういうつもりですか?…鷹岡さん・・・・
 あれ、なんでびっくりしているんだろう。万の事、聞いてないのかな?
「びっくりしているようですね。防衛省から聞いていませんか?の任務はE組の生徒を守ること。…よって、生徒達に手出しはさせません」
 そうだ、万は任務の為にここに居る。私は、楽しくてここに居る。
 でも、利害が一致しているところがある。
 E組のみんなを護ること。
「あっ、前原…!」
 多分大丈夫だとは思うけど、前原くんが心配になったのか、磯貝くんが駆け寄る。
「大丈夫か?前原」
「ああ、あなたの下の名前…万さんが来てくれたからな」
 でも来てくれなかったらヤバかったな〜。
 磯貝くんと一緒に話している前原くんを見て、少し安心する。
「チッ」
 小さく舌打ちをして鷹岡さんは、今度は有希子ちゃんの近くへ寄った。
 また、従わせようとするの?
「お前は父ちゃんに着いてきてくれるよな?」
「私…は…」
 有希子ちゃん…!
 ニコっと笑って、有希子ちゃんは言った。
「私は嫌です。烏間先生の授業を希望します」
 ほっとしたと同時に、この距離だと、足は間に合わないと不安になる。
「この…!」
 鷹岡先生は頭に血が上ったらしく、有希子ちゃんにも手を上げようとする。
 パンッ
 と、聞き慣れた音がして、私の手には対先生用銃が握られていた。
 万だ…
 というか、今の一瞬で鷹岡さんの動きが一瞬止まった。どうやったんだろう。
「今回は神経を麻痺させるだけで済みましたけど…警告を聞かないようなら、”次”はないですよ」
 そう言って万は、本物の銃を取り出す。
 ああ、そうか。なんかいい感じの所に当てて動かすための神経を麻痺させたんだ。

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