その人、いや、これからは先生か。とにかく、新しい先生が現れた。
その人は政府の人で、やっぱり、殺せんせーの暗殺の為に送り込まれた人。
その人の名前は、”鷹岡先生”。その時、鷹岡先生が自分のことを”父ちゃん”だと名乗り、みんなにお菓子を配っている時は、こんな事になるなんて思っていなかった。
鷹岡先生の体育の時間、紙が配られた。どうやら、新しい時間割りらしい。
「10時間目って…」
時間割りにズラっと並んでいたのは、”訓練”その2文字。そして、隣を見ると、10時間目まであるようだ。
「ちょっと待ってくれよ!こんなんじゃ勉強出来ねえし、遊びにも行けねえよ!」
前原がそう言った。
すると、さっきまでの穏やかな表情が嘘だったかのように、鷹岡先生の態度が豹変した。
「『できない』じゃない、『やる』んだよ」
確かに、月を爆発させた殺せんせーを殺すには、このくらいは必要かもしれない。けど、烏間先生は言った。
──最低限の中学校生活は保証する──
って。だからこれは、ちょっと違うんじゃないか?
「父ちゃんに従えないのなら、罰を与えないとな」
そう言って、鷹岡先生は前原に近づいていく。
咄嗟に動くことができないスピードで、腕を振り上げた。
けれど、前原は殴られなかった。
「あなたの下の名前…?」
「生徒に手を上げるとは、どういうつもりですか?…鷹岡さん」
いや、今の反応はきっとあなたの下の名前じゃない。万さんだ。
鷹岡先生のことも、”先生”をつけずに”さん”呼びだったし。
「びっくりしているようですね。防衛省から聞いていませんか?万の任務はE組の生徒を守ること。…よって、生徒達に手出しはさせません」
任務だから。…そういう理由で俺たちを守っているだけなのに。いつもは冷たく感じる万さんの言葉が、今日は、少し暖かく感じた。
「あっ、前原…!」
多分大丈夫だとは思うけど、前原が心配になり、駆け寄る。
「大丈夫か?前原」
「ああ、あなたの下の名前…万さんが来てくれたからな」
でも来てくれなかったらヤバかったな〜。
そう話す前原を見て、少し安心する。
「チッ」
小さく舌打ちをして鷹岡先生は、今度は神崎さんの近くへ寄った。
また、従わせようとするのか?
「お前は父ちゃんに着いてきてくれるよな?」
「私…は…」
頑張れ、神崎さん。
ニコっと笑って、神崎さんは言う。
「私は嫌です。烏間先生の授業を希望します」
ほっとしたと同時に、不安になった。
あんなに至近距離にいるなら、万さんも間に合わないんじゃ…って。
「この…!」
鷹岡先生は頭に血が上ったらしく、神崎さんにも手を上げようとする。
パンッ
と、聞き慣れた音がした。
対先生用BB弾だった。一体誰が…?
というか、今の一瞬で鷹岡先生の動きが一瞬止まった。どういうことだ?
「今回は神経を麻痺させるだけで済みましたけど…警告を聞かないようなら、”次”はないですよ」
そう言った万さんは、本物の銃を取り出す。
い…一体どこにそんなモノを…












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。