第64話

鷹岡先生
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2026/07/23 08:07 更新
 その人、いや、これからは先生か。とにかく、新しい先生が現れた。
 その人は政府の人で、やっぱり、殺せんせーの暗殺の為に送り込まれた人。
 その人の名前は、”鷹岡先生”。その時、鷹岡先生が自分のことを”父ちゃん”だと名乗り、みんなにお菓子を配っている時は、こんな事になるなんて思っていなかった。
 鷹岡先生の体育の時間、紙が配られた。どうやら、新しい時間割りらしい。
「10時間目って…」
 時間割りにズラっと並んでいたのは、”訓練”その2文字。そして、隣を見ると、10時間目まであるようだ。
「ちょっと待ってくれよ!こんなんじゃ勉強出来ねえし、遊びにも行けねえよ!」
 前原がそう言った。
 すると、さっきまでの穏やかな表情が嘘だったかのように、鷹岡先生の態度が豹変した。
「『できない』じゃない、『やる』んだよ」
 確かに、月を爆発させた殺せんせーを殺すには、このくらいは必要かもしれない。けど、烏間先生は言った。
──最低限の中学校生活は保証する──
 って。だからこれは、ちょっと違うんじゃないか?
「父ちゃんに従えないのなら、罰を与えないとな」
 そう言って、鷹岡先生は前原に近づいていく。
 咄嗟に動くことができないスピードで、腕を振り上げた。
 けれど、前原は殴られなかった。
「あなたの下の名前…?」
「生徒に手を上げるとは、どういうつもりですか?…鷹岡さん・・・・
 いや、今の反応はきっとあなたの下の名前じゃない。万さんだ。
 鷹岡先生のことも、”先生”をつけずに”さん”呼びだったし。
「びっくりしているようですね。防衛省から聞いていませんか?の任務はE組の生徒を守ること。…よって、生徒達に手出しはさせません」
 任務だから。…そういう理由で俺たちを守っているだけなのに。いつもは冷たく感じる万さんの言葉が、今日は、少し暖かく感じた。
「あっ、前原…!」
 多分大丈夫だとは思うけど、前原が心配になり、駆け寄る。
「大丈夫か?前原」
「ああ、あなたの下の名前…万さんが来てくれたからな」
 でも来てくれなかったらヤバかったな〜。
 そう話す前原を見て、少し安心する。
「チッ」
 小さく舌打ちをして鷹岡先生は、今度は神崎さんの近くへ寄った。
 また、従わせようとするのか?
「お前は父ちゃんに着いてきてくれるよな?」
「私…は…」
 頑張れ、神崎さん。
 ニコっと笑って、神崎さんは言う。
「私は嫌です。烏間先生の授業を希望します」
 ほっとしたと同時に、不安になった。
 あんなに至近距離にいるなら、万さんも間に合わないんじゃ…って。
「この…!」
 鷹岡先生は頭に血が上ったらしく、神崎さんにも手を上げようとする。
 パンッ
 と、聞き慣れた音がした。
 対先生用BB弾だった。一体誰が…?
 というか、今の一瞬で鷹岡先生の動きが一瞬止まった。どういうことだ?
「今回は神経を麻痺させるだけで済みましたけど…警告を聞かないようなら、”次”はないですよ」
 そう言った万さんは、本物の銃を取り出す。
 い…一体どこにそんなモノを…

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