ak視点
一瞬の出来事すぎて頭が追いつかないまま、
とりあえず部屋に戻る。
少し経ったあと、けちちと師匠が帰ってきた。
色々考えても何もわかんないし。
元気なのが俺の取り柄だから!!!
そう自分を奮い立たせていつも通り、叫んだり騒いだり
楽しもう、そう決めた。
"拗ねた"。そういうことにしてあなたのあだ名に触れながら
色々考える。
けちち、気をつかって部屋から出てくれたんだろうな
後でなにか奢ろうかななんて陽気なことを考える傍で
あっとに言われたことを改めて考える。
2人きりになってもなにも言わないで
ただつっこんだり、ネタっぽく話したり。
ずっと、ただの照れ隠しかなと思ってはいたものの、
あっとの言葉を聞いてからだとどうしても
何かを偽ってるんじゃないかとか思ったりもして。
結局、もし偽ってたとしても好きなんだろーなと思ったら
急に恥ずかしくなってきたりもして。
あなたのあだ名に会ってからほんとに情緒不安定だなーって
自分でも苦笑する。
と、そこで部屋の扉が開く。
見られる前に急いで離れたし、バレてないだろーなとは思う。
でも、明らかにちぐちゃんの目が動いてる。
そりゃそーだよね、俺本来は師匠と同じ部屋じゃないし。
と、最初は思っていた。
ただ、俺らが一緒にいたことに違和感を持っただけだって。
風呂から上がって扉を開けようとした時。
扉の中から楽しそうに恋バナをしている声が聞こえてくる。
ちょっときになっちゃったりもして。邪魔したくなくて。
そのままこっそり話を聞く。
両思いだもんな、あそこ。両片思いが正しいかもだけど。
いいなーと思いながら聞いていたら、
とちぐちゃんが言う。
俺の恋愛、終わったんだな、そう思った。
だってさ、ちぐちゃんが好きになりそうなの
師匠だし。
そーいえばまだ出会ってなかった時、オキニって言ってたっけ
なんて、現実逃避するかのように思う。
あっとが言ってたの、この事なのかなって。
そう思いつつも、恋愛的に意識させないためにも
俺はちぐちゃんが言い終わる前に扉を開ける。
盗み聞きしてたなんてバレたくなくて、
全力で叫びながら入る。
途端、ちぐちゃんと目が合った。
ライバルだってわかったもんはしょうがない。
ちぐちゃんのが推しだし有利だと思うけど。
でも絶対負けないから。
俺は笑いながら視線を送った。
こっちだって、そういうかのように視線が送られてくる。
俺らを見ながらやれやれ、とでも言いそうな表情をしていた
ゆりあちゃんに思い切りウインクをした。













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。