〜鬼殺隊/蝶屋敷/屋敷内/診察室/室内〜
しのぶ:…これで、良いですよ
(冨岡の治療を終え)
善逸:あの子、本当に炭治郎の妹なの?
炭治郎:あぁ
俺が護れずに、壊した妹なんだっ
善逸:何があったら、あんなっ
(心:何の音もしないようになるんだ)
炭治郎:愛絵里は、禰豆子の双子の妹なんだ
でも、俺禰豆子しか母さんの手伝いや弟妹達の面倒をみていないって勝手に思い込んで…愛絵里自身をちゃんと見てなかったんだ
しのぶ:……………
炭治郎:禰豆子は、ちゃんと愛絵里を見て居たのにっ
俺が愛絵里を叱る度に禰豆子が俺を怒ったんだ
でも俺、どうして禰豆子がそんな事するのか分からなくて禰豆子と言い合いになる事が日常茶飯事だったんだ
善逸:……………
炭治郎:ある時、禰豆子が手伝い中に怪我した事があったんだ
良く考えれば、手伝い中に怪我するなんてある事なのに…俺は愛絵里が禰豆子を見てなかったせいだって勝手に勘違いして愛絵里を叱ったんだ
善逸:炭治郎…
炭治郎:その時は、禰豆子と母さんにも怒られたんだ俺
母さんにどうして、禰豆子ばかり優しくして愛絵里には叱ってばかりなのって
炭治郎の妹は、禰豆子だけなの?って言われた時気付いたんだ
俺、愛絵里を褒める事も優しくもしてないって
伊之助:……………
炭治郎:それから、何とか愛絵里と話をしようとしたんだけど無視されるようになったんだ
冨岡:……………
炭治郎:当たり前だよな
愛絵里の話も聞かず一方的に叱って、都合が悪くなったら歩み寄ろうなんて
しのぶ:…………
炭治郎:俺が炭を売りに山を降りる前の日の夜、愛絵里と禰豆子が喧嘩してたんです
善逸:禰豆子ちゃんが?
炭治郎:あぁ
多分、俺と仲直りさせようとしたんだと思う
…禰豆子が愛絵里に、お兄ちゃんの事許してあげて、お兄ちゃんも悪気や本気でそんな事思ってないからって
善逸:禰豆子ちゃん…
炭治郎:愛絵里が禰豆子に、あんたに何が分かるの?何時も何時も、自分の不注意で怪我してもあんたじゃなくてあたしを叱る彼奴を許せ?
巫山戯ないで‼…あんたは何時も何時も彼奴に護られて何もしない癖に
母親と名乗る奴も弟妹と名乗る奴等も兄と名乗る彼奴もあんたも大嫌い‼
あんたの顔も彼奴の顔も二度と見たくない‼ってそう言ったんです
しのぶ:そうなっても可笑しくはありませんね
炭治郎:そして、あの日…
俺は禰豆子だけを連れて山を降りた
善逸:でも、しょうがないんじゃっ
炭治郎:嫌、俺がもっと冷静になって匂いを嗅ぎ分けていれば愛絵里を苦しめる事も壊す事もなかったんだっ
冨岡:そして、過程はどうあれ…お前の妹は不死川実弥…鬼殺隊…柱が一柱『風柱』に拾われた