第3話

コミュ障の奮闘ジム2
367
2023/03/16 11:08
水色の髪の女性男性に引きずり込まれ…連れられやってきたのは何ということでしょう。外より断然暖かいジムの中でした。






……じゃないよ!!ボク、コミュ障!!人と!話すの!!無理!!絶対!!!!


しかも、よく見るとこの人凄い美人だし周りの人に殺される。お前みたいな日陰がこんな月のような美人と居るな。刺すぞ。って!!






物凄くネガティブな行き過ぎた被害妄想をしていると目の前の美人さんは立ち止まって手を離してくれた。






「それじゃあ、少し温まったらジム戦に挑むといいよ。楽しみにしてるね」


「え、あ…ぁりがとうございました!……ってもう居ないっ」






擬音を発しながらもコミュ障なりに必死にお礼を伝えたがそこにもう美人さんの姿はなく……。


ボクはただジムの受け付けの人の前で誰も居ない空気中の人物にお礼を言う変な人になってしまった。解せぬ。






あれ?そういやさっきの美人さん楽しみにしてるねって言ってたけど何を楽しみにしてるんだろう。


はっ、まさかボクが負けるのを楽しみにしてるねってこと!?くっ、あんな美人さんにまでボクは負けるのを予言されてるのかっ…!


やっぱりコミュ障のボクがジム戦に挑むのがダメだったんだ。そうだ、絶対そうだよ。ごめんなさいぃ!!






そんな全くもって的外れなことを考える。本当はジム戦に挑んでくることを楽しみにしてるね、なのだがこのコミュ障、コミュ障なだけでなくネガティブなのだ。


故に事実とは曲がった方向に物事を捉え良くない方向に。この少女、実の親にでさえコミュ障を発揮するくらいにはコミュ障なのだ。






「ようこそ、ナッペ山ジムへ!」


「ひえっ!?ぁ、ぇっと、こ、こんにちは…?」






突然喋りかけられたから疑問形になったけど答えれただけ褒めて欲しい!!さっきの美人さんとの会話よりは会話してるから!






果たして先程の受け答えが「会話」という分類に入るのかは審議の必要性がある気がするが、この少女からしたらきっと会話なのだろう。
………恐らく。多分。きっと。

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