第4話

コミュ障の奮闘ジム3
320
2023/03/17 09:00
ジム戦の前ということもあってガッチガチに緊張していると心臓の鼓動が早くなる。


今にも口から飛び出しそうな心臓を必死に落ち着かせようと腰についてあるモンスターボールを握る。






「そんな緊張されなくても大丈夫ですよ。ここまで来れたってことはそれなりの実力があるってことですから」


「えっ、あ、はいっ」






ごめんなさいごめんなさい。ここまで来れたって言ってもジムバッジまだ0個なんです。


本当にただここに来たってだけで全然ジム戦やってない雑魚なんです、ごめんなさいぃ。






受け付けの人の優しさと自分のバッジの数に泣きそうになりながらも腹を括ってジム戦に挑む覚悟を決める。






「挑戦者のお名前を登録します……スノーさんですね!当ジムリーダーグルーシャと勝負するにはジムテストをクリアする必要があります」






え、ジムテスト??何それ??何人かと戦ってジムリーダーと漸く戦える的な…?え、もう不安なんだけどっ。


勝てるかな。負ける予感しかしないんだけどっ。辞めたい。帰りたい。帰ってお菓子食べて寝たい。






「ナッペ山ジムのジムテストは……雪山すべりです!ライドポケモンに乗って用意されたコースを時間内にゴールしてください!」


「……え?雪山すべり??」






雪山すべりってあの雪山すべり??しかも今ライドポケモンに乗ってって言った??え、死ぬの?ボク死んじゃうの??






「詳しいルールは当ジムを出て左手の坂を登った先、雪山すべり開始地点で説明しますね。それでは、行ってらっしゃい!」


「アッ、はい」






ポケモンバトルではなくライドポケモンに乗ってのジムテストということに謎を浮かべながら恐る恐る外へ出る。






さ!む!い!この中すべるの!?怖い怖い死んじゃう。ほら、ボクのポケモンも怖いから辞めようって言ってる!






正確にはモンスターボールが揺れただけで何も言っていない。寧ろ中のポケモンは頑張れ!と励ましているぐらいだ。






「やあ、待っていたよ。ここが雪山すべり開始地点だ。君には大自然コースをライドポケモンですべってもらうよ。目標タイム以内にゴールできればジムテストクリアだ!」


「ぁ、あの、ライドポケモンってどのポケモンにライドするんですか…?」


「手持ちのポケモンにライド出来る子がいればその子に乗って挑むことができるよ。いない場合はこちらで用意したポケモンに乗って挑むことが出来るよ」

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