私らの意味深な会話に、副隊長は怪訝な顔をしとった。
私は副隊長に呪霊のことを根掘り葉掘り聞かれる前に、そそくさと部屋から出ていった。
思わず笑ってしもうた。
治療室の扉を開けると、そこには師匠と夏油さんが居った。
二人は肩を寄せ会いながらソファーの上で寝とった。
私は師匠に水で濡らしたタオルを渡した。
師匠はそのタオルを自分の顔に当てた。
師匠はソファーから立ち上がって、私にさっき私が渡したタオルを洗面台にかけた。
声のする方を見ると、ソファーで髪型を整える夏油さんの姿があった。
そう言うと、師匠は大きく目を見開いて驚いとった。
まあ、当たり前やと思うけど。
私は二人から背を向けて部屋を出た。
そして長い長い防衛隊基地の廊下を歩き、自動ドアの前に立った。
ふと後ろを向いて、目の前に広がる大きな歩道橋のような階段の集いを見た。
私が、こんな大きな組織に関わってしもうたという後悔のような、興奮のような感じを覚えた。













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。