雄登が転校してきてから5ヵ月。あれから最低限のことしか
話して来なかった。もう関わることはないと思ってたのに……
『ただいま〜』
母「あなたちゃんおかえり!」
雄登母「あなたちゃん久しぶりね!」
『おばさん!お久しぶりです!』
雄登母「やっぱり美人になったわねぇ!背も大きくて!
雄登も可愛い幼馴染を持ったわねぇ」
可愛くないし、雄登とはもう何もありません!!
母「あ、そう言えばね?」
『ん?』
母「明日からね?雄登くんの家族とお母さんたちでね、
2週間旅行行ってくるから!」
『旅行?いいじゃん。最近お母さんたち疲れてたから
リラックスできるんじゃない?』
雄登母「それでね?あなたちゃんに
お願いがあるんだけど……」
『なんですか?』
雄登母「おばさん達が旅行行ってる間
雄登と2人で暮らしてくれないかしら!」
『へ?!2人?!ちょっと待って!お母さん!
瑞稀と尚大は?!』
母「瑞稀も尚大もお友達の家でお泊まりよ!」
雄登母「ほら、うちの雄登料理も家事も絶望的でしょ?
あなたちゃんなら家事は完璧だから!」
『はぁ……』
母「明日からだけど今日の夜から行く?!」
雄登母「いいわね!うちのお父さんも
今日早く帰ってくるし!」
『勝手すぎるよ〜…』
夜
母「じゃあしばらくよろしくね!」
『はいはい。』
何故こんな気まずい時に……
ピンポーン
『開いてる。』
雄登「お邪魔します……」
(何話せばいいんだ……?)
雄登「……俺のこともう好きじゃない……?」
なぜ?!好きに決まってるだろ!?この鈍感やろう!
『……ッ』
雄登「ごめん……変なこと聞いて……」
『いや、別に……』
ピンポーン
雄登「出ていいよ?」
『ごめんッちょっとまってて』
雄登「うん」
『はーい。』
飛貴「あなた!宿題教えて!!!!」
『ちょ、え?!待って待って!』
雄登「……?!」
やばいやばい……
飛貴「誰か居んの?」
『違くて!』
飛貴「じゃあいいじゃん!お邪魔しまーす!」
『あぁ!!』
私最大のピンチです!!!
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!