第73話

Story.67
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2021/03/31 13:16
あなた Side

駿くんのクラスの扉を開けた時、


ちょっと嫌な予感はしてた


でも、私を選んでくれると思った



道枝駿佑
道枝駿佑
ごめん、あなた


なんで?


私、なにかしちゃったのかな




だって駿くんはいつも私と帰ってたから





その日から、私は駿くんと会うのが怖くなっていった







高橋恭平
高橋恭平
城ちゃんー、1組行こーや
あなた
あー、私はいいや
きょーくん、行ってきていいよ?
高橋恭平
高橋恭平
え、なんで?
みっちーとなんかあったん?

こういう時だけ、きょーくんって鋭いんだよね



でも、心配かけたくない



あなた
んーん、なんにもないよ
今日朝からだるくて、このまま寝ようかなって
高橋恭平
高橋恭平
え、そうなん?
保健室行く?行くなら連れてくで?
あなた
あー、一人で行くから大丈夫だよ
西畑くんと話したいんでしょ?‪w
高橋恭平
高橋恭平
ばれた?‪w
なんだかんだいって、1番構ってくれるもーん‪w
あなた
きょーくん犬みたい‪w
高橋恭平
高橋恭平
んなことないし‪w
あ、もうすぐ授業なるで?いっとき?
あなた
あ、うん
行ってくるね
高橋恭平
高橋恭平
俺から担任に言っとくし
あなた
ありがとう


そして私は、昼休みまで教室に戻ることは無かった




昼休みの間、ベッドに寝ていると、



ガラガラガラ



誰かが入ってきた






その声が聞き覚えのある声で、





私がずっと聞きたかった声だった




道枝駿佑
道枝駿佑
あの、赤城さんおります?


なんで、今なの、



会いたいけど、今は会いたくないよ




先生「あそこのベッドに寝てるわよ

私一旦職員室行くから、起こさないようにね」



道枝駿佑
道枝駿佑
はい、分かりました


ちょ、待って


なんで今のタイミング、




先生が出ていく音が聞こえた後、


静かに、ただ私の方へ向かってくる足音だけが響いた



来ないで、来ないでよ




カーテンが開く直前に私は目をつぶった




道枝駿佑
道枝駿佑
あなた、って、寝てるか、


そう言うと、近くの椅子が私の真横に来る音がした




そして、そっと手を握られた




道枝駿佑
道枝駿佑
あなた、ごめんな
高橋から聞いた
道枝駿佑
道枝駿佑
体調悪かったんやな
気づけんくてごめんな、俺すぐ行くから
道枝駿佑
道枝駿佑
やから、もうちょっとだけ、ここに居させてな


少し悲しそうな声でそう言った



違うよ、私は、駿くんが怖くて、



逃げちゃっただけなのに、、





そう思った時、




唇に柔らかい感触を感じた




この感触には覚えがある




駿くんの優しいキス




涙が出そうだった




道枝駿佑
道枝駿佑
ちゃんと話すから
やから待ってて、俺絶対、
道枝駿佑
道枝駿佑
あいつから逃げ出してみせるから
絶対あなたの所に行くから


私の額を、駿くんの額と合わせて、



少し震えた声で、





道枝駿佑
道枝駿佑
俺、強くなってあなたの事守るから
俺を信じて、待っててな
道枝駿佑
道枝駿佑
愛してるで、あなた、


そうして、また私にキスを落とした




カーテンの音がして、出ていく音が聞こえた直後




私は目を開けた




あなた
っ、グス



彼が愛おしくてたまらなかった



私にはもう彼を信じて待つ以外の選択肢が無かった
























駿くんの言葉を信じたい



だって私は駿くんの彼女だから

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