第30話

少年院3〜高専side〜
1,353
2023/07/15 04:20
虎杖悠仁
、、、は








“それ”を見た瞬間思わず息をするのを忘れる






原型をとどめているとはいえ
無事とは言えない、否確実に死んでいるであろう
無惨な姿の死体に耐性のない虎杖は言葉を失った









釘崎野薔薇
、、、むごい
伏黒恵
3人、、、、でいいんだよな
釘崎野薔薇
ええ






釘崎と伏黒の言葉も右から左へと流れる
衝撃的な状況に頭が真っ白になる。
言葉が出ずその場に立ち尽くす。





目の前に倒れている彼の母親の悲痛な声が途端にフラッシュバックする。




















モブ
正は!息子の正は無事なんですか!?
















拳を握りしめ、すぅっと小さく息を吸い込む。















決意を込め口を開いた



















虎杖悠仁
、、、、、この遺体持って帰る
釘崎野薔薇
え!?
虎杖悠仁
あの人の子供だ
釘崎野薔薇
でも!
虎杖悠仁
顔はそんなにやられてない
遺体もなしに死にましたじゃ、納得できねぇだろ




状態は酷いとはいえ顔はまだわかる程度だ
せめて、この人の母親の元まで送り届けてあげたい。


驚いている2人に向かってそういえば
伏黒が苦々しい表情で無常に、けれど冷静な言葉を告げた



伏黒恵
後2人の生死を確認しなくちゃいけない
その遺体は置いてけ
虎杖悠仁
振り返れば来た道がなくなってるんだ後で戻る余裕はねぇだろ!



来た道がなくなっていたし相手は地形を変えられるのかもしれない。
その状態で後で戻ってくるなんていう不確定なことはできない。



そんな想いを込め伏黒に反論するも目を細め怒ったように叫んだ



伏黒恵
後にしろじゃねぇ!置いてけって言ってんだ!
虎杖悠仁
今なんつった!
伏黒恵
ただでさえ助ける気のない人間を死体になってまで助ける気は俺にはない!
虎杖悠仁
どういう意味だ、、。

あまりのいいように怒りで拳が震える。


人を助けなければならないはずだというのに見捨てるような発言をした
伏黒に怒りが募り思わず怒りをぶつけるように叫ぶ。

伏黒恵
ここは少年院だ
術師には現場のあらゆる情報が事前に開示される
岡崎正。そいつは無免許運転で下校中の女児を跳ねてる。二度目の無免許運転でだ
伏黒恵
お前は大勢の人を助け、正しい死へ導くことにこだわってるな
ただ自分が助けた人間が将来人を殺したらどうする!
虎杖悠仁
だったらなんで俺を助けたんだよ!

俺だって人を殺す可能性があった。
なのに俺を助けてこの人を見捨てる意味がわからない。


疑問と怒りをぶつけながら伏黒に掴み掛かろうと距離を詰めようとした
その時、カツカツとわざとらしく歩く音を響く。
釘崎がこちらへと距離をつめながら堪忍袋の尾が切れたというように怒りをぶつけてくる。



釘崎野薔薇
いい加減にしろ!
あんたら何やってんのよ!バッカじゃないの!?
喧嘩をするにしても時と場所を考えたらどうn





釘崎の言葉に思考が冷静になり一気に現実へと引き戻される
伏黒の言い分に納得したわけではないがそれでも釘崎が言う通り
こんな場所で喧嘩しているわけではないと気分を落ち着けようとした
その次の瞬間釘崎の足元に影のようなものそして呪霊の気配と共に床下へと引き摺り込まれた
伏黒恵
!?
虎杖悠仁
、、!?釘崎!
伏黒恵
馬鹿な!呪いの気配は玉犬が


本来であれば伏黒の玉犬が知らしてくれるはずの呪霊の気配が全く知らされなかったことに驚き伏黒と共にあたりを見渡し玉犬の姿を探す。

玉犬の姿が目に入った瞬間、
思わず2人して驚きで目を見開き言葉を失う。








伏黒と俺の目に写ったのは血まみれになり壁にめり込んでいる玉犬の姿だった


壁がひび割れてることからかなりの勢いか力で殺されたのだろう。

だとすると近くにいるのは、、
おそらく伏黒も同じことを考えたのだろう声を張り上げ警戒体制をとる




伏黒恵
!!!
伏黒恵
虎杖!
逃げるぞ!釘崎を探すのはそれ、、、から
伏黒恵
!?
虎杖悠仁
!?



突然、それも気配を感じさせず真横に現れたそいつに動きが止まる。
格上のプレッシャーに圧倒されうまく体が動かない。



呪霊
ケヒッ
伏黒恵
(間違いない。特級だ、動けねぇ)




動け、、!動け動け動け、、!!!!
伏黒の反応と、このプレシャーからして間違いなくこいつは特級だ。
ボサっと突っ立ってるだけだと殺される、、!

無理矢理でもいい、、!!動け!!




強く念じて恐怖を振り払い勢いのまま武器を腰から引き抜きそいつに向かって思い切り振るう



虎杖悠仁
うわぁぁぁ




























自分に喝を入れるために叫びながらも振るった攻撃は次の瞬間自らの手首と共に跳ね飛ばされた

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