第2話

1d 1 / 100 とある日の奇怪な事件
1,178
2026/01/17 16:58 更新

人類石化から約 3700 年

in 科学王国

スイカ .
た、大変なんだよー !! 

道をコロコロとスイカが転がったと思えば、その中から小さな体が出てくる。

彼女はスイカ。「 お役に立つんだよ ! 」という頑張っても空振りするような弱キャラが言うようなセリフを言いながら、お役にしか立たない素晴らしい娘だ。

石神 千空 .
どーした、スイカ ? 

彼は石神千空。世界中の人間が石化したのち、意識を保ちながら正確に秒数を数えていた意味の分からんスゲェ男だ。彼が居なければ、今の正確な日時も分からない。

スイカ .
金狼キンロー銀狼ギンローが、いなくなっちゃんだよ ! 

その言葉に周囲がざわつく。

金狼と銀狼は、スイカ達の出身である石神村という小さな村の門番兄弟だ。金狼はルールに従う堅物真面目、銀狼は臆病で空気が読めず生意気だが、やる時はやる男だ。

普段は石神村とは別の拠点で造船作業などをしている二人だが、この日は両親や村民に会いに村に戻り、門番をする事になっていた。

スイカや事件当時村にいた村人達いわく、門番を交代する時間に銀狼が森に遊びに行ったとのこと。金狼は日が暮れた時にすぐ村に戻れるよう、銀狼を追いかけたらしい。

金狼もいるし、二人はすぐ帰ってくると村人達は思っていたが、日が暮れて時間が経っても帰って来なかった。朝になって、スイカが石神村から二人を探しながら千空の元に報告に来たとのことだ。


素直なスイカが嘘をつくとは考えづらく、千空たちはその話を信じた。


浅霧 幻 .
待ってコハクちゃん ! 
コハク .
何故だ ! 
コハク .
今、こうしている間も二人は助けを求めて山を彷徨さまよっているかもしれないのだぞ !!

走り出した少女を、見事な手腕で足にくくり付けた縄で止める男は、浅霧幻。あさぎりゲン、と言う名でマジシャンとして旧現代で活躍していた男だ。

金狼銀狼兄弟を助けようと走り出した少女はコハク。科学王国ではパワーチームとして、力仕事や戦闘を主としている。スイカや金狼銀狼と同じく、石神村の出身だ。

西園寺 羽京 .
とにかく、コハクだけじゃなくて、僕とクロムも捜索に出よう。
クロム .
おう、どこにいるか分かんねーけどよ、見つけてやるぜ !! 

落ち着いて声をかけたのは西園寺羽京。元海上自衛隊のソナーマンで、誰もが驚く聴力を持っている。また、学生時代に弓道部であったことを生かし、索敵兼準戦闘員として科学王国の発展を支えている。


見つけてやる、と意気込んでいるのはクロム。彼も石神村の出身で、素晴らしい発想力の持ち主だ。旧現代では必ず備わる、読み ・ 書き ・ 計算等の予備知識ゼロで、作業や生活を便利にする道具を作り上げる。本人曰く「 俺の科学は経験値 」らしい。

七海 龍水 .
いや、待て。
七海 龍水 .
二人の居場所にアタリをつけられる人物がいる。

それに意を唱えたのは、七海龍水。元七海財閥の御曹司で、利用できるものは全て利用してありとあらゆる欲しい物を手に入れて来た、( 推定 ) 世界一の欲しがり屋だ。現在造船中の船の船長を任された男だ。

フランソワ .
このような奇怪な現象を解決出来るような実力の持ち主が望ましいですね。

龍水に同意したのは、彼の執事兼シェフであるフランソワだ。本名 ・ 性別その他個人情報全てが謎に包まれているが、おもてなしのプロフェッショナルである。フランソワのお陰で、原始の世界である今でもまともな食事ができている。


その場にいたメンバーは、「 行方不明者の居場所にアタリをつけられる人物がいる 」と豪語した龍水に着いて行った。


プリ小説オーディオドラマ