_____ 造船所
ここに、一人の女がいた。
2019 年に千空達現代人と同じく、とある場所で石化した女だ。
彼女の座右の銘は「 労働はクソ 」だ。
その座右の銘に違わず、彼女は造船作業から逃れようと浜辺を歩いていた。
そんな彼女に声を掛ける男がいた。
我らが船長の七海龍水である。
旧現代とは違い、防御性が下がり露出度の上がった服を着ていた元ロング現ボブの女の肩にぽん、と手を置いた。
ギギギ、とロボットのような音を立てながら首を回した後に、肩に手を置かれた女は ...
現在の状況を理解しないことを選んだ。
目力や上背のある龍水は、自分より背の低い人間や幼い子供にとってそれなりに圧のある人間だ。もっとも、それ以前によく笑いよく目立つ龍水を怖がる人間は少ないのだが。
だがその龍水と相対する女は、科学王国で上の立ち位置を持っている龍水相手に喧嘩腰で対話している。相当な肝っ玉の持ち主のようだ。
フランソワとはかなり仲の良さげな会話をしている。
石化前からの旧知の仲である 3 人に、疑問を持つ者が数名。
少し苛立って龍水に声をかけたコハクの思考が一瞬止まる。最近違和感のあった部位を正確に言い当てられたからだ。
直後に警戒心が上がる。相手の女は自分を見ていない。自分の周りの虚空を見ているのだ。
その瞬間、コハクの周りに少しだが風が吹いた。当の本人であるコハクは、何かが起きた。それだけしか分からなかった。
あなたの首に、日本刀が添えられる。
その問いに、一瞬たりとも動揺せずにあなたは答えた。











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。