私はお風呂から上がると
部屋に帰る途中にペンギンさんと会うと
「ご飯の時間だからついてこいよ」と
誘われ、流れるままに食堂の方へ向かっていた
なんだけど…
…なんだこれは
食堂に来て席に案内してもらったと思ったら
周りに船員の方たちが沢山来ると
なんか喧嘩みたいなの始まってるんですけど…
…なんだろ
…思ってたより騒がしくて驚いてる。
騒がしいのが嫌いな訳では無いけど
ノリにまだついていけない自分がいて
どう話せばいいのか分からない。
こんなの初めてだな…。
それに…オムライスの上に書いてある文字が
「あなたの下の名前ようこそ!」
と書かれている…
私を歓迎してくれてるのかな…
嬉しいんだけど
なんか面白い…
私は思わずにやけた顔を
すぐさま両手で隠した
2人)アイアイサー…(小声)
彼はそう言うとそのまま、
おにぎりだけ取ると少し離れた場所で食べていた
モグモグ…
…なんか視線を感じる
あの世界ではそんなだけど
この世界の人って結構食べる人が多いのかと
思ってたな
なんか食べてるところを
そんなまじまじと見られるのって
初めてかも…
ガタッ…
そんな話をしていた時
ローさんは食べ終わったのか
席を立って自室へ帰ろうとしていた。
…お礼さっきも言ったけど
もう1回言った方がいいよね。
命の恩人なんだし…。
それに乗せてもらってるしな…
私はそう思い、食堂から出る前に
ローさんを止めた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。