私には恋心なんてなかった
親にもまともに愛されなかった
お父さんはお母さんからの虐待に耐えられなくなって自殺したし
お母さんは
こき使われる毎日
叩かれる毎日
嫌で、辛くて、仕方がなかった
ある夜
なかなか寝付けなかった
そのとき、ふと思いついたのが
家から逃走
私はそのことしか考えられなかった
そしてついに
私の足は外の方へ踏み出した
裸足で
逃げなきゃ
無我夢中で走った
足が浮腫んでても、息がはち切れそうになるくらい
もう、無理だ
走れない
涙が地面へこぼれ落ちる
ぽたぽたと
あの地獄から、逃げれたんだ
嬉しさと苦しさが混ざる
限界だよ...
お父さんみたいに死なないからっ...
お願いっ...
お母さんっ...
おや、こんな夜に地面にひざまづいてるのはだぁれ?
にしては綺麗だな...
この人は優しかった
何を言っても
『うんうん』『辛かったね』
そう言う
















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。