…私は頬を赤ながら吐夢くんのされるがままにじっとする。
そう苦笑いを浮かべる。
…中々答えられない。昨日から実は吐夢くんのことを怖がっている自分がいた。
…だって、まさか吐夢くんの愛がこんなにも強いだなんて思わなかったから。…その時ふと、お母さんの言葉を思い出した。
…たしか、吐夢くんには良くないオーラがある。だとか言っていたな。…いやいや!そんなわけない。吐夢くんは変わってるけど至って普通………
…じゃ…ない…
…だって、彼の瞳にはわたしだけが写り、うっとりした表情で見てくる。後ろにはロッカーがあるのに。
…ドクンドクンと心臓が脈打つ。怖い。今吐夢くんに対して抱いている感情はただ怖いと思うのみだった。
…思わず颯汰くんの名前を言ってしまった。嫌な予感しかしない。
更に早く心臓が脈打つ。
すると、私の言葉を遮るように吐夢くんがまたじっと見つめながら…
…殺す?小さな声で言ったが、私は聞き逃さなかった。…今…殺したいって言ったよね?
だが吐夢くんは決して冗談を言っているようには見えなかった。真剣な眼差しで私をひたすら見つめながら…
まだ廊下に生徒がいる中で…吐夢くんはわたしに…
接吻をした。
昨日の甘く優しいキスではなく、大人なキスを長時間やった。
…驚きのあまり声が出ない。…吐夢くんの唇は柔らかかった。思わずわたしも目を瞑ってしまう。今、吐夢くんがどんな表情をしているのか。全くわからない。
甘い声で静かに囁く。そんな色っぽい彼を見て…なんだかドキドキしてしまう。…きっとこれは怖いからじゃない。
恥ずかしい。と思っているのだ。…心のどこかでもしかしたらずっと求めていたのかもしれない。
ようやく吐夢くんはわたしから離れて…
…そう私にだけしか聞こえない声で言う。お仕置き?…もしかして…昨日みたいな…こと?
…すると吐夢くんは鋭い目つきで私を見つめなら…
正直言って…他に男友達はいるわけだし。これからも行動を制限させられるかもしれない。でも…私は吐夢くんの彼女なんだから…初めての彼氏なんだから。そんな初めてを私は大事にしたい。…だから。
私はそうニマッと笑って見せた。すると、吐夢くんもそれに応えるかのように…ペタリと笑った。
姫茉里です!なんか…毎回長くなってると思うんですが…やっぱり区切り難しい…













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。