サンside
あなたちゃんはウヨンのファンだ。
よくイベントに来てくれてる子のようだが、俺はそこまで馴染みのある顔じゃなかった。
だから昨日の夜にウヨンからあなたちゃんの色々な話を聞いた。
あの時ウヨンを助けた人についてもっと知りたかった。
話を聞く限り、普通のファンだと思った。
ウヨンの好きなところを褒め、アルバムやMVの感想を言ったり、お願い事をしたりして…本当にただの良いATINYだった。
__それでもウヨンの中では印象強く残っている子のようだ。
そして今、水族館の人気の少ない場所でウヨンがそのあなたちゃんに落とし物を渡していて、
彼女は騒ぎ立てないように必死に気持ちを抑えているようにしている。
あなたちゃんの言葉に偽りない純粋な気持ちを感じて優しい子なのだと信頼できる。
体の力が抜けて本当に安心してて、足も震えてる彼女にウヨンが心配して話かける。
そう言うとあなたちゃんは眩しい笑顔を浮かべた。
俺も安心して彼女に笑いかける。
ウヨンも同じようにしていたが、どこか上の空なようだった。
俺はウヨンの注意を引くためと、昨日から気になっていたことがありあなたちゃんに話しかけた。
あなたちゃんが車に乗っていくウヨンに向かって叫んでいる光景を思い出す。
でも、心配にしては必死すぎると思ってあなたちゃんを少し怪しんだ。
あなたちゃんはことの発端を説明してくれた。
女性と自分が泊まるホテルですれ違ったこと、そこで聞いた女性の独り言のこと。
それを元に憶測でだけど、俺たちが泊まってるホテルを探していたんじゃないかと。
少なくともあなたちゃんの言葉には嘘はないように感じた。
あなたちゃんはペコリ頭を下げて立ち去ろうとしたが__
ウヨンが彼女の手首を掴んでいた。














編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。