俺が覚えているのはここまで。
この後の事は樹に聞いた話。
帰ってきたら放心状態の北斗が
泣きながら俺を抱えてたらしい。
血が止まらない俺を慎太郎と樹が
病院に連れてったらしいけど、
“俺が離れたから”と言ってずっと自分を攻め続けた北斗を
1日付きっきりで髙地が支えたって言ってた。
それから何ヶ月か病院で様子を見て貰ってから
久々に家に帰ったら北斗は変わってた。
全く話してくれない
話しかけても「うん」「そっか」「今無理ごめん」
ばっかり。
北斗残ってくれて様子がおかしいって樹に言ったら
それだけ言われて、
その日はずっと樹に慰めてもらった。
まぁでも仕方ないよね。
こんな自分勝手な人間、嫌われてしょうがないか……
また話したいのに。
ちゃんと言いたいな…
“ごめんね”って。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。