おかしいだろ
…待て、これは言わせちゃダメな気がする
待て待て待てやめろやめろやめろ!
終わってんだろ
そう言って瑞波は俺の耳をつねりながらその部屋からでた
俺は瑞波に詰め寄られていた
理由は簡単だ
暴言のレパートリーが少なすぎないか?
俺はその言葉に対してため息をつきながら言う
瑞波は、すっとんきょうな声を出していた
スラムは、全てを失ったやつらの溜まり場だ
治安なんてかけらもなければ、生きるためには最悪殺人もしなければいけない、そんな場所で白は育った
そして、俺と同じく親父に拾われた
懐かしいな…あの時は確か…
…いや、今はこんな過去のことに浸るわけにはいかないか
瑞波は、しゅんとした顔をしていた
…全く、いつもいつも…
このままの空気だと地獄だからな、こうなったらさっさと戻った方が吉だ
その後、瑞波は親父が言ったことを全て了承し、無事にこのグロム家の一員となった
…それにしても
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。