第2話

出会い
19
2025/05/15 08:04 更新
_田中咲@たなかさく_
田中咲たなかさく
いってきます、お父さん!
田中敬斗
いってらっしゃい、気を付けて行くんだよ
バタバタと急ぎながら扉を開ける

ギリギリ間に合うのだが、少し走った方が良い時間帯になってしまった

後ろからは父の忘れ物が無いかの確認の声が聞こえるが、申し訳ないが軽く無視して学校に走って向かう
クラスメイト
あ、咲。おはよー
_田中咲@たなかさく_
田中咲たなかさく
おはよー
途中で会ったクラスメイトに挨拶をしながら学校まで歩く

教室に入ると数人に挨拶をして、席に座った

ぼーっとしながら窓を眺めると自分が映るのを見つめる

突然だが、私。田中咲は特にこれと言った特徴はない普通の女子高校生だ

やってみたいと心から思う目標も無く、自分の力を持つ限り頼まれた事は卒無くこなす

しかし、勉強も運動もルックスだって平凡

それでも私は満足だった

だって、普通は目立たなくて楽なのだから

私は元々、目立つのが嫌いだ

それよりも皆のサポートの方がずっと性に合っている

心から思い、私は普通を望み続けた

しかし、ある日の放課後

テスト勉強の為に図書室に向かった

天才は勉強をする必要もないのだろうが、咲は日々の努力が必要だった
_田中咲@たなかさく_
田中咲たなかさく
……今日は数学をやろうかな
数学は苦手だが、ついていけないという訳でもない

しかし、なにか目標が出来た時に必要になるかもと思い力を入れる

いつも通りの席に座ろうとすると見たことがない少女が座っているのが見える

黒曜石のような黒髪にルビーの瞳が皆の目を捕らえて離さない

儚げだが、ミステリアスな雰囲気を纏っており同じ歳だとは思えなかった
_田中咲@たなかさく_
田中咲たなかさく
……綺麗 
気付くと、私は無意識に呟いていた

すると、少女は私に向かって微笑む

その笑顔は人形のように美しく、同性である私も照れてしまう程だ

……ああいう人を人誑しというのだろうと思った

名も知らぬ美しい少女を気にしないように数学の問題を解き始める

しかし、どうしても気になってしまう

本を捲る仕草も椅子から立ち上がる姿も絵になってしまい、幻想的に見えてくる

図書室にいる皆、少女を見ているようだ

……私も気になる

これじゃ、家に帰って勉強の方が集中出来そうだ

そう思い、勉強道具を持って図書室から出ようとする

すると、制服の袖を誰かに掴まれていることに気付いた
_田中咲@たなかさく_
田中咲たなかさく
…?
後ろを向くとあの少女が自分の袖を掴んでいる事に気付く

……真正面から見てもやはり顔が整っている

顔も小さくて…目が大きくてまつ毛が長い

見惚れていると少女は首を傾げる
___
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あの、私の顔になにか?
_田中咲@たなかさく_
田中咲たなかさく
す、すいません…!見すぎましたね
声は鈴のように美しい声で凛としていた

その声にも聞き入ってしまいそうだったが、慌てて返事をする

どうしよ、見すぎた…恥ずかしい

顔に熱が集まってくる

これが私の人生を変えてしまう出来事の始まりだった

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