気づけば、部屋には私独りになっていた。
まどかさんが....相手の手中に堕ちた。
誠一くんは、まどかさんに能力を使っていたのは分かった。多分、現状を理解できないようにしたはず...
これまでの会話、目撃したこと、体験したことからすると、誠一くんはマインドコントロール、しかも発動するのに条件付きの能力を手にしている。
その条件とは、相手の目を見る。または目が合う事だ。
恐らく、誠一くんの瞳になにか秘密があるはず......
しまった、ここにも能力者が......ッ
間の抜けた返答で私に油断させる気なのは分かりきっている。
確かに、記録者1人で活動することはできない。
でも、助けを求めれば誰かが助けに来てくれるはず。
........もっと他ハウスと交流しておくべきでした...
ドアが開いた音がした。
『やあ、健三』
その声は、崇拝するほどの美声で、いつものまどかさんに変わりは無いのに...
口角をニイとあげたまどかさんは、未だかつて見たことがなかった。
オマケパート𝚂𝚃𝙰𝚁𝚃
自己紹介おねがい
フルネームは?
2人の好感度上げよう作戦だからね
カラフルだねー
てかさ、2人の関係性は何なの
へぇー、好きな食べ物は?
そこをなんとか!
あ、そっか心が読めるのか...
まあね
あっ、ちょっと...!
あ、今暇?
うん!そう、ヨーマちゃんについて聞きたくてね
でも、白井に聞いたらヨーマには数日会えないって
ん?
名前は...ってヨーマちゃんか
年齢は...?
好きな食べ物は?
可愛いね...
黒川の自室
陽舞は16の頃からネストの記録者だった。
本人曰く、困ってる人を助けたいから入ったらし
い。
僕も心配だから、入ろうとしたことがある。
でも、僕向けではなかったみたいだ...
この時、初めて陽舞の凄さがわかった気がする。
僕も陰ながら陽舞を応援するために異能を研究して一般の人でも使えるようにするという技術を白井と開発していた。
1回目の試作ができた頃だった。
ネストから連絡が来たのは...
突然の訃報、18歳。あまりにも早すぎる。僕は陽舞の死が受け入れられなかった。
逆上した犯人にグサッ...らしい
つい前までレコードが上がった。とか、うちの名探偵がかっこいいんだよ〜!とか、楽しそうにいっぱい話を話していたのに...ッ
そいつらは、陽舞を見殺しにした。
陽舞が居ない人生なんて、考えられない、
こうなるんなら、いっその事、そのきっかけを作ったネストを無くしてしまえばいい
なんだ、簡単じゃん...
白井は、陽舞が死んでから1年経ったある日、最先端技術を用いて陽舞を蘇らせた。
でも、あんなの陽舞じゃない。
そう言っても、写真立ての向こうの陽舞は柔らかく微笑んだままだった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。