said 咲希
軍の悪魔の保護施設が襲撃された、という報告を受けて、アタシたちは調査を中断して集まっていた。
深刻な表情でお兄ちゃんがつぶやく。
アタシを含めた大勢が把握できていないみたい。
途切れる前の情報ならあるのだが…と言っているお兄ちゃんの後ろから、るいさんがやって来て詳しく説明してくれた。
全員が魔法を使う、となると強力な悪魔たちなの。魔法を使える悪魔はアタシたちでもギリギリ。
そんな強いのがいたんだ……。大丈夫なのかな…?
みんな1度はそう思う。
やがて白石さんが口を開いた。
周りがザワつく。
賛否が分かれてる感じだ。
アタシも……何もせずにいるなんてできないもん!!
その姿も見て、るいさんは声をかけた。
各々が動き始める。すぐに荷物をまとめなくっちゃ!!
軍の施設に着いたアタシたちは、絶句した。
何もかもが破壊されていた。
無惨にも遺体や瓦礫が散らばっている。
頑丈なカメラでさえも、希望を無くしていた。
そう、元はと言えば、作戦を実行させるだけだった。
なのに…
___カチッ
『対悪魔大規模作戦』報告書
各街から、半径25km。
魔石を使い、生け捕りにするために死なない程度の高周波攻撃。
1番隊は調査のため、この作戦には参加しなかった。
作戦は予定どうりに行われたが、7体の悪魔によって悪魔保護施設、並びに収容されていた悪魔が全滅。
護衛に携わっていた9番隊の大体を失う。
以上 執筆者:神代類
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。