第16話

吸血鬼のハル
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2019/11/10 04:32 更新
昼の廃屋。
破れた壁からは日が差し込む。
穂積晴-ホズミハル-
私は元人間ってのは話したわよね
じゃあ……その経緯からだね







4年前、あの保育園を抜け出してから街中を歩き回っていた。
穂積夾-ホズミキョウ-
誰もいないよ?
穂積晴-ホズミハル-
そうねぇ……とっても静か!
夾と晴は手を繋ぎ、誰もいない道を通る。
もちろん人がいないため、車も動かないし、何を盗んでもバレない。
穂積夾-ホズミキョウ-
勝手にとっていいの?
穂積晴-ホズミハル-
誰もいないんじゃ、仕方ないから
コンビニで、お菓子とジュースをとる。
二人で分け合い、また歩き始める。
穂積夾-ホズミキョウ-
分かれ道……
穂積晴-ホズミハル-
私は右を見る、
夾は左を見てね
穂積夾-ホズミキョウ-
うん
手を一瞬はなし、それぞれの方向に曲がる。
するとーーーーーーヨハネの4騎士が現れた。
穂積夾-ホズミキョウ-
晴!
右に行った晴の真正面に出た為、夾は即座に近寄り手を引いて走り逃げる。
穂積晴-ホズミハル-
なにあれ?
穂積夾-ホズミキョウ-
知らない
穂積晴-ホズミハル-
どこに行くの?
穂積夾-ホズミキョウ-
おじさんとおばさんの家
迷わず一直線に進んで、数十分もしたらついた。
中に入り、部屋中を見る。
リビングの一端、おじとおばが倒れていた。
息はしていない。
倒れてから結構たっているからだろうか、冷たい気もする。
穂積晴-ホズミハル-
死んじゃってるよ、夾
穂積夾-ホズミキョウ-
うん
数分ほどその場に座り、そばで待っていた。
もしかしたら起きてくれるかも、というかすかな希望に。
穂積晴-ホズミハル-
ねえ、夾。いいこと思いついたの
穂積夾-ホズミキョウ-
いいこと?
穂積晴-ホズミハル-
さっき大きな声で吸血鬼さんがね
子供は保護するって言ってたの
穂積夾-ホズミキョウ-
言ってたね
ウイルスで人類が滅びるだとか
二人の沈黙を破ったのは一人の吸血鬼の声。第3位始祖クルル・ツェペシの。
穂積晴-ホズミハル-
けどね、私思うの。
滅んでいない人間だっているかもしれないから
穂積夾-ホズミキョウ-
……………
穂積晴-ホズミハル-
私は吸血鬼の方に行く。
だから、夾は生きている大人を見つけて
偉くなって………
穂積夾-ホズミキョウ-
復讐する
言葉を引き継ぎ、淡々と言う。
穂積晴-ホズミハル-
そうよ。
別に恨みがあるわけでもないし、
復讐までは行かないわ。
穂積夾-ホズミキョウ-
中立ってこと?
穂積晴-ホズミハル-
そうよ、よく出来ました夾
いたずらっぽく微笑む。
そして指切りげんまんをして言う。
穂積晴-ホズミハル-
それでここで大事な約束をしましょう。
一つ、私と夾は絶対中立であること
穂積夾-ホズミキョウ-
一つ、もし俺か晴。片方が死んだらもう片方が復讐する
穂積晴-ホズミハル-
それいいわね♪
私達はいつだって仲良しな姉弟なんだから。
でも、どちらとも一斉に死んじゃったら?
穂積夾-ホズミキョウ-
その時は……一緒に死ぬ。それだけ
晴は満足そうに微笑む。
穂積晴-ホズミハル-
なら、一つ
私が吸血鬼になったら
夾が血を提供すること
穂積夾-ホズミキョウ-
定期的に連絡も取ること
穂積晴-ホズミハル-
まあ、このくらいでいいかしら
穂積夾-ホズミキョウ-
また話せるんだから
穂積晴-ホズミハル-
うん♪
晴は立ち上がり、外へと出る。
穂積晴-ホズミハル-
また会いましょうね、
愛しの弟ーーーーーー夾
穂積夾-ホズミキョウ-
また会おう、馬鹿姉貴ーーーーーー晴

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