放課後。今日は火曜日、部活がある。部員は3年が2人、2年が4人、1年が5人の11人。2年は1人以外がダンス初心者で私も初心者の1人だ。1年も3人が初心者だ。今週末に大会があり終われば先輩たちの引退になる。この大会には3年と2年だけで出ることになった。そこそこな運動神経で私はよくやっている、なんて。ついて行くので精一杯で私なんかが出てもいいのか不安になる。先輩や同期は「今まで一緒に頑張って来たみんなで頑張ろう!」と言っているが、それが本音なのだろうか。そうやって疑ってしまう自分もまた嫌になる。
練習が終わりそれぞれ同じ道の人どうしで帰る。私は教室に忘れ物をしたと嘘をつき、みんなと別れ、校内のピロティで自主練をする。大会の曲が決まってからはたまにこうやってこそこそと自主練をしているのだ。嘘をつくのは真面目だと思われるのが嫌だから。だから、誰も私の努力に気づかなくていい…。
自主練が終わるといつも空腹で倒れそうになる。そして私は揚げパンの存在を思い出した。鞄から取り出し頬張るとあまりの美味しさに疲れが一気に吹き飛び幸せな気分になった。そう感じるのは空腹のせいか、あいつがくれたおかげなのか…絶対に前者だろう












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。