第12話

第十二話『お泊まり会という名のダラダラ会』
231
2026/03/23 10:00 更新
昼過ぎのかぶき町。
陽射しは強いのに、どこか風はのんびりしていて
休日らしい空気が流れていた。

万事屋の前。
志村新八
あなたの下の名前ちゃん!こっちこっちー!
手を振る新八。
あなた
ごめんねー!まった?
少し小走りで近づく。
坂田銀時
いや、ちょうど今出てきたとこだ。
壁にもたれたまま、だるそうに言う。
志村新八
いやアンタしばらく前からいましたよね!?さっきまでそこでジャンプ読んでましたよね!?
坂田銀時
ぱっつぁん、そんな細けぇことはいいんだよ。
志村新八
誰がぱっつぁんですか。
あなた
ふふふ
坂田銀時
ほら、買い出し行くぞ。
あなた
はーい!
三人で並んで歩き出す。

商店街は人で賑わい、店先からは美味しそうな匂いが漂っていた。
あなた
何買うの?
志村新八
今日はお泊まりですからね!
ちゃんと色々揃えないと!
坂田銀時
そんなもん酒とつまみで十分だろ
志村新八
ダメです!!あなたの下の名前ちゃんいるんですよ!?
あなた
そうだそうだー!笑
坂田銀時
なんだよ、じゃあ甘いもんでも多めに買っとくか?
ちらっとあなたの下の名前の方を見る。
あなた
ほんと?!いいの?!
嬉しそうに目が輝く。
坂田銀時
……おう。
ほんの一瞬だけ、間があってから頷く。
志村新八
あっ今完全に甘やかしましたね!?
駄菓子、軽食、飲み物。
袋いっぱいに食料を買い込んで

少しだけはしゃいだ空気のまま、万事屋へ戻る。
窓から差し込む光が、部屋を柔らかく照らしていた。
志村新八
よし、準備完了です!
坂田銀時
おー
あなた
まずは何するー?
すでに二人はゴロゴロし始めている。
志村新八
よし!まずはDVD観ましょう!
坂田銀時
なんでお前が仕切ってんだよ
志村新八
銀さん、分かってないですね!
こういうのは計画性が大事なんですよ!

DVDが再生される。

最初は笑って、途中で盛り上がって。

時々ツッコミが飛び交う。
あなた
あはは!
無邪気に笑う声。
坂田銀時
……。
ふと、その横顔を見る。
坂田銀時
……随分と楽しそうだな。
ぼそっと。
あなた
なーに?
坂田銀時
いや、なんでもねぇ。
すぐに目を逸らす。
映画が終わる頃には、外は少し暗くなってきていた。
志村新八
いや〜、たまにはこういうのもいいですね!
坂田銀時
ただのダラダラ会だろこれ。
だらしなく寝転がりながら言う。
あなた
えーでも楽しいよこういうの!
家族みたいで!
あなたの下の名前がにこっと笑う。
坂田銀時
…そーかよ。
ぶっきらぼうに返すが、どこか緩い。
志村新八
次はゲームやりましょうか!
あなた
おー!
坂田銀時
お前ら、元気だな。
三人で並んでゲーム。

負けて悔しがったり、勝って騒いだり。
床の上に転がりながら、笑い声が響く。
あなた
ねぇー!もう一回!
坂田銀時
何回やる気だよ。
志村新八
相変わらずあなたの下の名前ちゃんは負けず嫌いですね笑


気がつけば
窓の外はすっかり夜。

提灯の灯りが、町をやさしく照らしていた。
部屋の中も、少し静かになる。
笑い疲れたような、心地いい空気。
志村新八
……そろそろ寝ますか。
坂田銀時
だな。
大きく伸びをする。
布団が並べられ
灯りが少し落とされる。
志村新八
じゃあ僕はこっちで!
すぐに寝る体制に入る新八。
あなた
え一新八くんもう寝ちゃうの〜もっと恋バナとかしようよー
あなたの下の名前もダラダラと寝転がって新八にからむ。
志村新八
なーに言ってんですか!もー


いいんですね?僕が語れるのはお通ちゃんへの愛だけですけど?
あなた
あ、それは大丈夫です。
志村新八
なんでだよぉ!!
あなた
あはは!
あなたの下の名前は楽しそうにケタケタと笑う。
そんなやりとりを数回繰り返し、新八は先に眠りにつく。
あなた
ふぁぁ…
こちらにもとうとう眠気がくる。
そんな中、
銀時は少し遅れて、あなたの下の名前の近くへ。

ごそ、と小さな音。
坂田銀時
……なぁ
あなた
…んー?どしたのー?
眠そうに目をこすりながらこたえる。
坂田銀時
今度、
少しだけ、間を置く。
坂田銀時
…二人で出かけねぇか
新八は静かに寝息を立てている。
小声での二人の会話は届かない。
あなた
え、銀さんと二人で?
小さく驚く。
坂田銀時
あぁ。
坂田銀時
別に大した意味じゃねぇけどな。
銀時はそう言って軽く笑う。
あなた
……うん。いいよ。
少しだけ照れながら頷く。
坂田銀時
よし、決まりな。
そのまま二人は何事もなかったかのように布団にもぐる。

銀時は、
横ですやすやと眠るあなたの下の名前の寝顔を、
しばらくの間見つめていた。


そうして静かな夜が流れていく。

プリ小説オーディオドラマ