第52話

【短編:幽霊】 と最後に語り
61
2024/07/29 09:30
アンドレ視点
アンドレ「あ゛〜。なんで俺らがこんなことやらなくちゃいけないんだよ...」

海「アンドレさんに激しく同意。だけど通報してきた人が貴族だからね...」

今は夜7時。海、シーリャ、カーリア、そして俺の4人でとある洞窟に向かっている
カーリア「にしても、洞窟で『幽霊が見えた』なんて通報、初めてでしたわ...」

シーリャ「私もです。これって警察ランカーに通報するべき事なのでしょうか...」

海「違うと思う。なんでよりによってオレが...。そもそも幽霊なんて出るわけないし...。肝試しによるプラシーボ効果か何かのトリップでしょ」

そういや海って根拠のないもの嫌いなんだよな。どうりでこの任務やるってなった時、いつもより不機嫌そうだったのか...
シーリャ「まぁプラシーボ効果なのかを調べるために私達は来てるのですが...結構遠いてすね...」
リーリーリーとなんかの虫が鳴いていて、ちょっとづつ辺りも暗くなってきた
アンドレ「そろそろ懐中電灯つけた方がいいか?」

カーリア「ですわね」
カチッとライトをつけると、まるで昼間みたいに明るくなった
海「凄いね、このライト」
そのまま歩いて20分くらい経つと、例の洞窟が見えてきた
シーリャ「ここが例の洞窟...」

アンドレ「さっさと終わらせようぜ」

俺達は洞窟の中に入っていく

シーリャ「....いますか?」

カーリア「私には見えませんわ...」

オレ、シーリャ、カーリア、海の順で1列になって進む

分かれ道があって、棒が倒れた方に行き先を決めて向かっていく
アンドレ「これ、出口とか覚えてないと出れなくなるんじゃないのか?」

海「大丈夫だよ。ちゃんと覚えてる」

流石だな
その時
一瞬ライトが点滅した
シーリャ「!今のって怪奇現象ですかね?」

アンドレ「どうだろうな...。ライトの充電が無くなっただけにも思えるが」
そのまま何分か奥に進んでいく

海「...やっぱりいないよ」

カーリア「そろそろ引き返すのもありかもしれませんわね....」

そう言った時、今度はライトの光が完全に消えた

シーリャ「充電切れでしょうか...」

アンドレ「これじゃ前が見え...」

見え...見える...?

なんかうっすら明るいぞと思い、光源を辿る。後ろから?誰か予備の懐中電灯持ってきてんのか?

後ろを見ると、海が光ってた

海「...オレが光るから大丈夫だよ。先に進も」

なんかそのセリフだと自己肯定感ヤバい奴みたいになってるけど、物理的に光ってるんだよな。

目と、服と、羽と、髪の毛の先っぽ

シーリャ「どうなってるんですか...?」

海「服はそういう布で出来てるから。オレ自身は...トリップによるものだと考えてる。暗いところに行くと光るんだよね」

カーリア「相変わらず面白い能力ですわね」

アンドレ「それON/OFF変えられるのか?」

海「変えられない。寝る時とか結構邪魔」

シーリャ「それはなんというか...便利とは言い難いですね...。でも今は助かりました、進みましょう!」
海を先頭にして、そのまま進んでいく
すると急に海が立ち止まった。
どうしたんだ?...なんかあの壁、白いのが見える気が...






は?


あれって...








海「絵だ...」

アンドレ「絵だな」

シーリャ「絵ですね」

カーリア「絵ですわ...」

海は急いで貴族の奴に電話をした

海「はい、そうです。絵が...は?ちょ、ちょっと...!」

ツーと音が鳴る。切られたか。

アンドレ「なんだって?」

海「『貴方達、任務で疲れてそうだったから、いつも助けて頂いてるお礼にお楽しみを用意したの!楽しんでくれたようで何よりだわ』...だって」

アンドレ「は?おい、ちょっと待て」

カーリア「つまり私達はここに肝試しに来ただけになりますわ...」

シーリャ「どうやらプラシーボ効果が起きていたのは私達だったようですね...」

全員が脱力してその場に座り込む

アンドレ「何が楽しんでくれて何よりだよ...余計な任務増やすなよ...」

海「...でも事務所で永遠に書類仕事するよりかはマシだったよ。本気でその通報してくる貴族に比べたら、よっぽど良い」

カーリア「これなら素直に肝試しと言って欲しかったですわ...」

シーリャ「てすね...悪意は無いようでしたけど、これはやめてもらわないと...」

帰ったらそれについての会議か...

全員「「「「はぁ....」」」」

アンドレ「...帰るか」

シーリャ「そうですね」


俺達はその洞窟を後にした
ま、正直言って今回の任務がなかったら、このメンツで肝試しに来れることは絶対無かったと思うし、ある意味いい思い出と思う事にするか
レミ☆(ぬし)
レミ☆(ぬし)
以上!
レミ☆(ぬし)
レミ☆(ぬし)
この4人ならガチで幽霊出てきても
『おぉ...!』
で終わりそう。寧ろ、どうなってるの!?って幽霊を囲って質問攻めにしそう
レミ☆(ぬし)
レミ☆(ぬし)
この4人を肝試しに来させたかったけど、海くん来てくれなさそうだからか任務にしてみました
レミ☆(ぬし)
レミ☆(ぬし)
実際こういう任務ありそうですよね...
レミ☆(ぬし)
レミ☆(ぬし)
海くんがこの任務行けって言われた時の『はぁ?』って顔が浮かぶ...
レミ☆(ぬし)
レミ☆(ぬし)
短編書くの楽しい

プリ小説オーディオドラマ