sideなし
先生がそう言うと、教室は一瞬でざわついた。
先生が手を叩きながらそう言うと、少しずつ静かになる。
どうやら常識はあるクラスのようだ(
ガラガラッ
全員の視線が一斉に扉に向く。
そして入ってきたのは、ピンク色の髪をハーフツインにして黒マスクを着けている女の子。
そのため顔は少し見えにくいが、雰囲気からとても可愛らしさが伝わってきた。
そう言って愛らしい声でニコッと微笑む姿は、まるで天使のようだった。
少女がゆっくり歩いて席に着くと、タイミングよくチャイムが鳴った。
それと同時に生徒たちはガタガタと音を立てて椅子から立ち上がり、少女を囲む。
急にたくさん質問され、少女は戸惑う。
この子は聖徳太子じゃないのだから、それぐらい配慮してあげてほしいものだ(
その時、少女の隣の席の男の子が注意した。
「え?」
全員の声がひとつに重なる。
教室が一瞬で静まり返る。
当たり前だ。
さっきまで大人しそうにしていた少女がいきなり語尾に”♡”を付けてぶりっ子のように話し始めたのだから。
男子たちは誰からともなく違うことをいっせいに話し始めた。
だがみんな動揺を隠せないでいる。
そのなかでひとり、少女は密かに微笑んでいた。
実はここまでは少女の計画通り。
しばらくして、少女の席を囲むのは女子だけとなった。
だが女子たちは全員で目を合わせるばかりで誰も口を開かない。
さすがの少女もこれは初めてのこと。
未経験なために少しだけ焦る。
突然少女は強く名前を呼ばれる。
女子にも嫌われてしまったのではないかと、少女は一瞬肩を震わせた。
そんな少女の手を取り、彼女はこう言った。
思えばここから、頭脳明晰な少女の完璧であるはずだった計画は狂っていったのかもしれない。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。