萩原あなた / 現在 ___
警視庁内が徐々にピリついて来て、全部署に
緊張が走る。
その影響を受けて呪霊も発生してきている。
この際、誰でもいいから手伝いに来てくれ
ないだろうか。
もちろん知っている。
忘れるわけが無い、あの気持ちの悪い感覚を。
あの時の光景がフラッシュバックしてその場
に倒れ込んでいなければいいんだけど。
記憶に焼き付いてしまったおぞましい光景は
中々忘れることができないし、何度も何度も
フラッシュバックするものだ。
千葉さんの車を離れ、私の愛車が置いてある
ところまで小走りで向かう。
その間に無線に接続したイヤホンを片耳だけ
に付けてそっちに話しかける。
両耳に付けるのは、別に道路交通法で禁止に
なっている訳では無いが念には念を。
他人とスピードを合わせるのは好きじゃない。
だって待つ羽目になるし、待たれる羽目にも
なってしまうから。
だから、保険をかけてから出発する。
いつもは大して気にならずに流していた音楽
を鼻歌混じりで歌いながら待っていた信号。
今日は異様に長く、気持ち悪く、そして心地
がどんな場所よりも悪かった。
佐藤さんと連絡が取れない ..... 。
どんどん私を押し寄せてくる不安と焦り。
お願いします神様。どうか ..... どうか無事で
あってください。
私はどうすればいいの?
continue














編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。