萩原あなた / 三年前 ___
今日は休日だが、姉が出勤しているので一人
でベットの上でゴロゴロしていると、電話の
呼び鈴が家の中に響き渡る。
こんな時間 _ 真っ昼間 _ に誰だろうか。
次に聞こえた声は、これまで何度も何度も耳
にしてきた男性の声。
その男性は、兄の親友で兄が亡くなってから
は一度も電話を掛けて来なくなった人物。
松田陣平だ。
あの日 ..... 。
________ 兄の、命日だ。
久しぶりにじんぺーと話す、という事もあり
会話がギクシャクしてしまっていた。
その流れを断つ様に、じんぺーが話の内容を
ゴロッと変えてきた。
だって、四年前のあの日からじんぺーは .....
なんかじんぺーの声が一瞬震えたような、?
それに、いつもは「 じゃあな 」では無く
「 またな 」って言うのに ..... おかしい。
ツーツーツー ____
萩原あなた / 現在 ___
元々は姉が帰ってきてからは兄のお墓参りに
行く予定であった。
でも、あの日あの時 ......
兄、じんぺー、航さん。
ヒロさんは公安の警察官だったから、お葬式
はやらなかった。
呪術師のお葬式だってそう。棺桶の中に何も
入っていないことの方が多い。
静かな車内にすすり泣く声が不規則に響く。
女が背負っていた悲しみ、苦しみ、憎しみ。
それは一体、どれほどの物だったのだろうか。
continue















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。