あなたside..
ともやだった
いざ目の前に彼がいると頭が真っ白になった
最後にあったのがもういつか覚えていないし.彼はアイドルになってから前よりももっとかっこよくなった
それなのに.その雰囲気は前と何も変わらない
派手なシルバーになった髪色でもあどけなさが残ってた
彼は気づいてた。
ここは韓国なのに日本語で話した彼にもう言い訳が出来ないのはわかってた
それでも目は合わせられない
やっぱりまた会う資格が私には無いとしか思えない
咄嗟に出た言葉は 人違いです だった
ここまで来て引き返した自分があほらしい
というか意気地無しだ
あの中にはきっとともやだけじゃなくて.ゆうひだって
彼らの大切なメンバー達がいたはず
そこに入ることは邪魔をしてしまうんじゃないかって不安で押しつぶされそうだった
エレベーターで上がった先
どこかなんて全く知らない
ふと我に返った
なにしてんだわたし。スタイリストになるためにここに来たんじゃないの?
私情を持ち込んで来たのが恥ずかしくなる
アイドルとして世界に一生懸命立ち向かうともやに.私なんて眼中にあるものだろうか
よく考えたらひとりでまた会えるって舞い上がって.勝手に逃げて . 彼にとっちゃいい迷惑だ
頭を抱えてふと地面にしゃがみこんだ時
確かに声は聞こえた
「やっと見つけた」
なんで.
思わず立ち上がった
まただ.また彼は目の前にいる
逃げ腰で後ずさる私に対して
たしかに悲しい目で見つめる彼が目の前にいる
きゅっと胸が閉まる感覚.
自分でもわかる。 私怖いんだ
急に居なくなった自分がまたともやの前に現れて
と思えば逃げて.
自分の未来に向き合えない.
未来が怖い.自分が怖くて逃げるだけ。
分からないよ..どうするのが正解なのか
自分から会わない選択をしたのに.
とものこと忘れようとしてたのに.
月日が経てば経つほど好きが増えて
会いたいと思って,その中には
邪魔になりたくない
そんな思いがずっとある
だけどあなたは
私が作った壁をどれだけ隔てても
いつもぶち壊してきた
耐えてきた涙が溢れて,もうだめだった
やっぱともやには敵わない
ともだって泣いてた
ずっと見なかった涙を今この瞬間流してる
それでもわすれてはいけない
どれだけ謝っても.どれだけ好きが溢れたとしても
昔とは違う
ともやはアイドルで私は一般人
もうこの事実が変わることは無いのだから
覚悟を決めた上で全部ともやに話した
私がここまで逃げた理由、スタイリストとして声をかけてもらったこと。
ずっとふざけずに聞いてくれたともや
気づけば出た言葉は
だった
くしゃっと笑うその顔がやっぱり昔と変わらなくて
でも彼の背中にはたしかに世界を背負ったリーダーの覚悟があって
戸惑うばかり
同時にこの気持ちには蓋をしなくちゃ.絶対にそう思った瞬間だった。















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。