第60話

❤️(❤️)いつもとの違い III
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2026/04/01 11:00 更新
 
りうら side
# Doctor
…息苦しさ、ですか
# Doctor
今日の10時ごろから…今も、ですね
# Doctor
発症する前のきっかけ、みたいなものはありましたか?
# L .
……
# N
りうら?
静かに首を振る。急にきたからびっくりしたんだ。
# Doctor
前に同じような症状になったことは?
# N
ない…ですね
# Doctor
そうですか…
# Doctor
咳は出てると思うんですけど、発熱や吐き気、めまいといったほかの症状はありますか?
# N
りうら、今ある症状あれでぜんぶ?
# L .
…ぜんぶ
# N
熱はないです。ただ、何度か酸欠気味になってめまいと、あと立てなかったことがあるみたいで
# Doctor
なるほど…喘息とかあったりしますかね?
# N
いや、持ってないですね…
ひと通り、問診が終わる。

ほとんどないくんに任せてしまった。
# Doctor
胸の音聞きたいので…服あげてもらえますか?
# N
りうらいける?
# L .
んん…
無駄だとわかっていながらちょっと嫌がってみる。

ないくんが手を繋いでくれたので観念して抵抗を止める。肯定はしてない。
# L .
……( びくっ
# Doctor
…深呼吸してみてください
# L .
ふっ、ぅ"、は、はぁっ…
# L .
はーっ…すぅ、はー…
# L .
んん…や、
深く息を吸うと痛くて、無意識に吐く方が短くなる。

慣れない場所への冷たい感覚も相まって、最終的に嫌悪感が限界を迎えてしまった。

どうにかこの感覚を逃したくて手を繋いでたないくんを見上げてみる。
視線に気づいたないくんはお医者さんの様子をちらっとうかがって軽くバックハグしてくれる。体温がちょっとだけ伝わってきて、それに意識を委ねることだけを考えることにした。
# Doctor
今聞いてみた感じ、喘鳴…と呼ばれる音は聞こえないんですね
# Doctor
つまり、気管支炎とかそういうものではないと思われます
# Doctor
こうなってくると疑われるのは気胸…とか、そのあたりですかね
# Doctor
深呼吸を嫌がってる感じもあったので、可能性は高いと思います
# N
…そうですか、
# L .
…ないくんわかってた、?
# N
可能性として…ね?
知らない病名を出されても特におどろく様子もない。
表に出さなくても、小さい反応とか、少なからずあるはず。兄弟だから、それくらいはわかる。でもまったく読み取れなかった。

ないくんは、予想してたんだと思う。
そして予想してたということは、これがないくんの言ってた「入院の可能性」なのではないだろうか。
# Doctor
…確定するために、ひとつだけ検査をしてもよろしいですか?
# Doctor
検査…というか、レントゲン撮影を…
# N
よろしくお願いします
# L .
え…ぁ、
# N
写真撮るだけだから行ってらっしゃい
# L .
…ん、
思ったより軽く手放されて戸惑う。

りうらが苦手なの知ってるはずなのに…


準備がいるらしく、廊下の椅子で待たされた。

「今も苦しい?」とか「大丈夫?」とか、今日何度目かの質問を向けられて、正直うんざりしてきた。

座ったままないくんにもたれかかって黙り込む。意図をくんでくれたのか、沈黙が流れる。
その間もずっと背中をなでてくれてて、優しいのか厳しいのかよくわからなかった。
# Doctor
…肺気胸、ですね
# N
…やっぱり
# Doctor
10代に多い病気なので、それほどめずらしくもありません
さっき撮ったレントゲンの写真をパソコンに写して、お医者さんが説明する。

うしろで看護師さんたちがせかせかと働いているのが見える。
# Doctor
ここ、これが肺なんですけど、こっち側がしぼんでいるのはわかりますか?
# N
はい
# Doctor
肺のどこかに穴が空いていて、空気が取り込みきれない状態なんですけど
やけに丁寧だなと思った。

丁寧に説明してくれたけど、現実離れしすぎてりうらの頭には入ってこなかった。
奥で働いている看護師さんたちの動きの方に意識を持っていかれたくらい。
# Doctor
このしぼんだ肺の外の空間に、今はもれだした空気が溜まっています
# Doctor
その空気を抜くために、「ドレーン治療」というものを受けてもらいたいのですが、
# N
…はい
少し空気が変わった。
ないくんの声色のせいかもしれない。

少しだけ、予想ができてしまう。
# Doctor
その治療のために、1週間ほど、入院が必要になります
# N
…なるほど
# Doctor
この肺のしぼみ具合だと自然治癒はむずかしいので、入院は必須だと思われます
また少しずつ息が苦しくなってくる。

目を閉じて呼吸に意識を集中させていると、気づいてくれたのか背中をなでてリズムをとってくれる。

その感覚と呼吸に集中していたせいで、そのあとの話はまったく聞いていなかった。
いろいろ完結するまで毎日投稿するよ たぶん
( できる目処はたってない )
 
 

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