りうら side
静かに首を振る。急にきたからびっくりしたんだ。
ひと通り、問診が終わる。
ほとんどないくんに任せてしまった。
無駄だとわかっていながらちょっと嫌がってみる。
ないくんが手を繋いでくれたので観念して抵抗を止める。肯定はしてない。
深く息を吸うと痛くて、無意識に吐く方が短くなる。
慣れない場所への冷たい感覚も相まって、最終的に嫌悪感が限界を迎えてしまった。
どうにかこの感覚を逃したくて手を繋いでたないくんを見上げてみる。
視線に気づいたないくんはお医者さんの様子をちらっとうかがって軽くバックハグしてくれる。体温がちょっとだけ伝わってきて、それに意識を委ねることだけを考えることにした。
知らない病名を出されても特におどろく様子もない。
表に出さなくても、小さい反応とか、少なからずあるはず。兄弟だから、それくらいはわかる。でもまったく読み取れなかった。
ないくんは、予想してたんだと思う。
そして予想してたということは、これがないくんの言ってた「入院の可能性」なのではないだろうか。
思ったより軽く手放されて戸惑う。
りうらが苦手なの知ってるはずなのに…
準備がいるらしく、廊下の椅子で待たされた。
「今も苦しい?」とか「大丈夫?」とか、今日何度目かの質問を向けられて、正直うんざりしてきた。
座ったままないくんにもたれかかって黙り込む。意図をくんでくれたのか、沈黙が流れる。
その間もずっと背中をなでてくれてて、優しいのか厳しいのかよくわからなかった。
さっき撮ったレントゲンの写真をパソコンに写して、お医者さんが説明する。
うしろで看護師さんたちがせかせかと働いているのが見える。
やけに丁寧だなと思った。
丁寧に説明してくれたけど、現実離れしすぎてりうらの頭には入ってこなかった。
奥で働いている看護師さんたちの動きの方に意識を持っていかれたくらい。
少し空気が変わった。
ないくんの声色のせいかもしれない。
少しだけ、予想ができてしまう。
また少しずつ息が苦しくなってくる。
目を閉じて呼吸に意識を集中させていると、気づいてくれたのか背中をなでてリズムをとってくれる。
その感覚と呼吸に集中していたせいで、そのあとの話はまったく聞いていなかった。
いろいろ完結するまで毎日投稿するよ たぶん
( できる目処はたってない )












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!