息切れしながら無我夢中で走るしか無いこの現状は軍人の俺でもきつい、かれこれ何分走ったかなんて、わかりっこない。そんなことを思っていると、ふと鈴の音が鳴った。
「ここは一体?」
俺はいつの間にか病院の待合室の椅子に座っていた。
その病院は酷く古ぼけていた。もう何年も人の手付かずで放置されたよう。
「うっわ待って虫居そうで怖ぁ」
俺は霊より虫の方が怖いので蜘蛛の巣などに細心の注意を払いながら歩き進める。
「もう誰か殺虫剤くれよぉ」
そう懇願しながらただただ探索するしかできることはほぼない。
暫くするとすると階段を見つけた。今まで階段はないし電気も通っておらずポケットに突っ込んでいた小型の懐中電灯でしみじみと進んでいたので新たな発見は情報になるから嬉しい。
「病院となると屋上開いてないかもなぁ」
開いとった場合、外が見渡せれたり、可能性は低いだろうが階層がそんなない且つ人が居れば助けを呼ぶことは可能なはず。少なくとも動いて幽霊に遭遇しても多少なら攻撃は効くし結界でその場は凌げるのでデメリットはそこまでないはず。兎に角、始めるべきなのは離れ離れの状態になっているあいつらを探すことだ。
「嫌な感じすんな〜」
階段へ一歩足を伸ばしたところで血生臭い嫌な匂いと気配を感じた。明らかにやばそうな感じがするのだ。だが病院全体が領域だったら異空間に全身突っ込んでいる説もあるから手遅れなのは大体察した。
っていう事でせめてみんなを見つける為にも警戒しながら足を進めることにした。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!