それはそれはもう寒い日だ。
四十二度のため息を吐きスモークを出した。
風呂に入るもリンスが無く。散々な生活だった。
ただの不幸ばかりが俺宛に届いていく。
洗濯も干しっぱなしなままで、俺は数ヶ月
部屋の中で何度も嘆いていた。
ただそれだけが唯一の救いだったのかもしれない。
あの日は俺を不幸にした日…俺はそう思い込んでいる。
みんなが敵にまわったんだ。そうに違いないだろう。
あの気さくで元気だったスティーブですら俺を敵に回して言ったのだから。
家にあるベランダは狭くゴミの量も多い一方、
いいや違う。
そのゴミは俺なんだろうな。
そして俺は遠い場所まで旅に出た。
さぁて、何処まででも行こうか。
これは俺の逃げ場なんてない逃避行
恐れなんかもう一つもない。
二度と会うことのない人達の事を考えたってただただ苦しくなるだけだろう。
歩き疲れると足も痛い。ここはひとまず終わりにするか…。
そして俺は眠りについた。
すると目の前には、スティーブとその他がいるのが見えた。
一体ここはなんだ。
「リアム看守!」
「リアム」
「リアムさん!」
…俺は、こんな結末を望んでいたのかもしれない。
これが俺のユートピアでもあるのだろう。あぁ、、この夢が、、ホントになれば…よかったのにな。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。